アイラside
◯前書き
母sideということで胸糞描写も多く苦手な方はスルーお願いします。
基本的には1話前でざっくりとした説明はしているので読まなくても大丈夫なようにはしています。
シンイーという男がどういう男だったのか、さらにヘイトを溜めたい方はお読みください。
私の人生は一言では表せないほどに波乱万丈な人生だった。
私の両親は飲食店を経営しており、成功してそれなりに裕福な家庭ではあった。
しかし、詐欺に引っかかったことで経営が傾き借金が積み重なっていった。
私の気づかない所で借金は膨れあがり私が気付いた時には借金取りが毎日のように家に訪れるようになっていた。
そんな店によりつくようなお客さんもおらず客足も遠のき完全に悪循環に陥っていた。
そんな折に私を売らないかという話があったのだ。
まだ学生であった私だが…父母を救うにはこれしかないと思い必死に拒否していた両親の反対を押し切って私は自分を身売りした。
これ以上落ちていく両親を見ていたくなかった。
それに、このままでは近い将来自分の身を売る事になることは若いながらも察していた。
両親の借金に合わせて資金の援助を約束させ、その後両親の店は立ち直った。
一度でも戻れればよかったのだが残念ながら二度と合わないという契約だったのでその願いは叶わなかった。
出国にあたり16歳になり無理やりに知らない男と婚姻させられてそのまま中国へと連れて行かれた。
あの男曰く、「政略結婚のようなものだといえば何も言われないから」とのことだった。
世界でもトップ5に入るほどの金持ちであったあの男に取っては人であってもショッピングのようなものだったようだ。
しかし、そういった違法行為に関してはある程度のラインがあるようで出来る限り犯罪行為はしないようにあくまでもグレーゾーンでやれる範囲の事しかアイツはしなかった。
うまくやればスキャンダルで落とす事も考えていたのだがそんな隙を彼は侵さなかった。
連れてこられてから1ヶ月は本当に地獄であった…その頃の事は思い出したくもなかった。
新しいおもちゃを手に入れたといわんばかりにあの男は、私に妄執した。
経験のなかった私は1ヶ月で100以上の経験を積まされる事になった。
1ヶ月がすぎ少し落ち着いたのか頻度が減ったが最低でも3日に一度は訪れるあの男にいくら身体を重ねても募っていくのは憎しみだけであった。
そして彼の目論見通りに私はすぐに懐妊した。
あの男は連れてきた美少女を孕ませることを至高の喜びと感じており私のように買われて来た少女達も同じように孕まされていた。
しかし、予想外だったのは第二次性徴期が来ていなかった私は、懐妊を期にホルモンの影響からか身長も含め大きく成長していった。
その事であの男の趣味嗜好から外れていったのようで安定期に入ってから頻繁にきていた男が段々と頻度が下がり最終的には顔すら出さなくなった。
無理やり孕まされた子ではあってもこの子のおかげで救われた事になり私はこの子に感謝すらしていた。
憎い相手の半身ではなく私を救ってくれた天使だと思って育てる事を決めた。
興味は失っても自分の物という執着はあるようで手厚いサポートの元で無事に出産することが出来た。
子供が生まれてからも顔を見せる事もなかった。
これ幸いと思い私は2人の日々を謳歌していた。
ここでの生活は言ってしまえば飼い犬のようなものであり充分な食事と体型を維持する為という事でトレーニング器具が完備されており何不自由のない生活を送れていた。
唯一の不満点は、外にでれないことだったがあの男の母国という事もありあまり興味もなく外に出たいという気持ちも沸かなかった。
そもそも辿々しい言葉しか喋れない私が外に出ていったとして何が出来るというのかと思うと行動を起こす気にはならなかった。
あの男は、新しい子が入ると足繁く通うのだが、妊娠がわかると途端に頻度が減る。
どうやら長期で休みが取れる時に買ってきているようで一種のバカンスのようなものなのかもしれない。
世界各地を渡り歩いている影響もあってかそもそも国内にいないことのが多かったりする。
子供を産んだ後も、私のように体型などが変わっていなければまた孕ませる為に通うようで2人目、3人目と産んでいる女性もいた。
年数も経ってくると私のように体型が変わった者や、単純に年齢がいってあの男の興味から外れた者が何人か出てきた。
あの男作ったこの環境は、中国でいう所の後宮という感じになっており新しく連れてこられた者や生まれてきた子供の面倒などを全員で行うようになっていた。
後宮と違うのは、私達はすでに違う誰かの奥さんであり皇后を目指すことは出来ずあの男も私達をおもちゃとしか見ておらず愛情など持っていないということだった。
ここに来た女性は悪く言えばあの男に買われてきたのだが、あの男は無理やり買い取ったりした事は一度もなかったのだ。
やむにやまれぬ事情で来た人しかおらずあくまでも自分の意思でついてきた者ばかりというのがまだ救いなのかもしれない。
あの男の好みは12~15歳位の女性として成長途中の少女のようでそういった少女が親元を離れる事情はろくな理由じゃないことも多く自分から話さなければ聞き出さない事を暗黙のルールとされていた。
ここで生まれた子供が大きくなって自分好みの年齢になるとあの男は手を出していたのだけは未だに受け入れがたい事実であった。
まぁその時は孕ませる事はせずに避妊はしていたようではあったが…それでも気持ち悪かった。
幸いにも我が子は第一次成長期が早かったおかげもあってかあの男の不在中に興味を抱く体型を通り越してしまったようでそういった事はなかった。
あの男に似て背がかなり高くなってしまったことに関しては不満であったが顔は私似だったので似なくて本当に良かったと大きくなっていく我が子を見ながら胸を撫で下ろしていた。
そんな日々を過ごし30を越えて御局としての貫禄が増してきていた時にあの災害が起こった。
運よく生き残った私達だったが、後宮の中で生きていたのは数人だけであった。
長い年月を共に過ごした事で家族のようになっていた事もあり悲しみに涙が溢れた。
そして遠い地で二度と会えない事になっていた両親も災害によって命を落としていた。
こんな状況で墓にキャンドルを灯すことすら叶わない事を許して欲しいと遠くの地から祈った。
今回の災害によってあの男の会社にも相当な影響があり書類上では未亡人になっていた私の身元保証人になっていたにも関わらず、自分の食い扶持は自分で稼げと言われてしまい実質放逐されることになった。
残念ながら勉強はほとんど出来なかったのでそっち方面での活躍は期待出来なかったが身体を動かす事に関してはこの歳になっても自信があったので募集が始まっていた探索者になることにした。
我が子には危ない事はしてほしくなかったので、スポーツの方に行くように勧めた。
我が子ながら優れた運動能力を持っていたようですぐに頭角を現した。
それに目をつけたあの男が仲介してフィギュアスケートとスピードスケートの大きな大会を制した事で大きな注目を集める事になった。
あの男の会社もスポンサーとしても大きく注目を集めた事で大きな利益を得たようだ。
それに関しては釈然としない気持ちはあったが、あの子が注目されるのは親としては鼻高々だった為、ヨシとすることにした。
特にフィギュアスケートに関しては小さい時に教えていたバレエが役に立ったそうで昔取った杵柄ではあるが少し誇らしかった。
あの男からの干渉は、ほとんどなく順調な日々に思えたがそんな日々を脅かす事態が起きるとはその時が来るまでは思ってもいなかった。




