達成
翌日からはまた別行動。
結局カナタもとりあえずレベルを上げる事にしたようでスレイヤーの数を稼ぐ事にしたようでリザード系を選んだようだ。
リザード系は数も少なくソフィアの節制の達成も難しいという判断で節制はオフにして狩るそうだ。
そしてこちらはいつもどおり姉妹と一緒に13階層。
討伐数も迫ってきておりかなり焦っていたのだが達成まで残り20匹という所でようやく『魔力共有』を取得できた。
「はぁ…ようやく取得できた」
「くっ」
ミレイが悔しそうな声を上げた。
ちなみに手を繋いでいるのはミレイだ。
始める前にミレイとカレンはじゃんけんをしていたのだがミレイが勝って俺と手を繋ぐ当番となった。
このままスキルが取得出来なければこのままだらだらと狩り続ける予定だったのだが、無事に達成前に取得できた。
「討伐特典までは手を繋いでてもらいますからね!」
とミレイに言われてしまい特典まではそのまま手を繋ぐことに…
「さてこのまま達成するとして今度は何を狩る?」
「そうですね…」
20階層まではモンスターを把握している。
ちなみに21階層のモンスターはゴーレム種。
普通のストーンゴーレムだったそうだがゴーレム種は硬い、強い、でかいと人気がないモンスターだそうだ。
そのまま22層と23層も確認してきたそうだが、すべてゴーレム種だったそうだ。
「うーん、明らかにワタクシが管理してた時とモンスターが変化しているみたいね」
シトリーが呟いていた。
「ゴーレムは何か有用なスキルはあるのか?」
「特にはないわね…ゴーレムはあまり配置できないし数も稼げないから特攻先に選ぶのはおすすめしないわ」
どうやらゴーレムは数が少ないそうだ
確かに数を狩る必要がある特攻先としてはあまりよくなさそうだ。
「探索者としての視点としてはゴーレム種は基本的に1体しか相手をしなくていいので火力のあるパーティなら好んで狩ったりします」
ミレイから補足される。
個体数が少ないゴーレム種は基本的に戦闘中などに乱入する危険性が少なく火力があるパーティなら安全に狩れるので好まれるそうだ。
「後、気になったのが階層がとんでもなく狭かったことですね」
「そうなのか?」
「迷路形式になってまして基本的にストーンゴーレムがいたら通れないような狭さだっだのでいちいち倒さないといけなかったのであまり奥まで進めませんでした」
「よくそんなとこ突破できたな」
「サキの魔法はゴーレムに効果抜群なのでそれで力押しですね」
「なるほどな」
歯応えを求めるならゴーレムもありかもしれないがそうなるとほんとに数が狩れないのでめんどうそうだ。
「うーん、悩ましいな」
と雑談をしながら敵を狩っていく。
この辺りの敵はほとんど脅威はなくお散歩感覚になっている。
これは特攻スキルの弊害だなと思うと共にやはり歯応えが欲しいと感じている。
「ゴーレムにするか」
「「「えっ」」」
3人が驚きの声を上げた。
「ゴーレムにするんですか?」
ミレイから俺の答えが驚きだったようで質問が飛ぶ。
「そうだな、歯応えが欲しくなってきたっていうのが一番なんだが3人で狩るなら他のモンスターの事を警戒しなくてもいいから安全だと思ってな」
中魔石を確保したいという目論見もあった。
小魔石についてはソフィアのスキルがオフに出来るようになったことで解決したので俺達は中魔石を集めたいと思っていた。
「確かに21層であれば中魔石を落としますしありかもですね…」
「数は大丈夫なのか?」
シトリーが先程数が少ないと言っていた事についての確認が入る。
「実際モンスターが枯れた事ないし大丈夫じゃないかと後、その手のモンスターならそもそも討伐数が少ないはずだ」
俺の特攻スキルは期限が短い変わりに倒すモンスターの数が少なく設定されている。
それならばそもそもの個体数が少ないとされるゴーレムであれば一日でそれほどの数を要求してくるとは考えにくかった。
という事で全員を納得させ21階層へ向かう事になった。
しかしその前にカレンはドラゴン戦を経験していないのでドラゴン戦からやるのだが安全を期してソフィア達も巻き込んで向かおうと思う。
そしてそんな事をしている間に特典でインプから特攻先をゴーレムに変更した。
「さて出るぞ」
すでに全員で戦闘態勢を整えモンスターに備える。
そして現れたのは普通のインプよりも一回り大きい赤いインプだった。
スキル構成が魔法関係の物が多く恐らく魔法タイプだったようだが…残念ながら俺達の相手にはならずミレイの魔眼で動きが止まり俺の一撃を持って霧散した。
「何事もなくてよかったです」
ボーナスモンスターに関しては本当に何がでるかわからないのでこんな普通に真っ向勝負してくるタイプだと有り難かったりする。
前回のような搦め手を使ってくる相手の方が脅威だ。
そしてドロップしたスクロールを確認すると
「ぐぬぬぬぬぬ」
声が漏れた。
「どうしたんですか?」
「『魔力共有』…」
俺の一言に全員がなんとも言えない顔になる。
「まぁ…節約できたという事でここは一つ」
「くそがぁあああああああ」
ここ最近慰められっぱなしだと思いながらそこから10層に移動してせっかく取得した魔力共有を試す。
今度はカレンと手を握り磁界操作を使用して以前シトリーの発情を回避するのに使用した時のように強力な磁界の弾を作り出した。
「どうだ、減ってる?」
「結構減ってますけどこれくらいなら全然大丈夫ですよ」
カレンはそういっているが俺は前回これを作って枯渇したんだが?…と少し思う所もあったが魔力が倍になったおかげでさらに大きくは出来るが俺の魔力で出来るのは直径10メートルが限界だったようでそれ以上は出力出来なかった。
それを維持するだけ魔力がガンガン無くなっていくのだがそれをカレンの魔力でどんどん補充される。
ただ問題はこれだけでは大した攻撃にはならない。
なのでその磁界に向かっていつもレールガンで使用している弾を何個も投げ入れる。
そうすることで中で恐ろしい勢いで回りだす。
そしてそれを海面に向かって落とす。
大きく海面抉れたようにに穴が空いた。
「なるほどこうなるのか」
中で高速で動く物体で海水を抉り取ったようだ。
恐ろしい攻撃ではあるのだが使い所が非常に限られるので攻撃手段の一つというよりはこんな事が出来るんだと思っておく程度にしておこうと思う。
まだ昼前だったのだがゴーレムを狩るというよりはドラゴン狩りの為に沙月達と合流する必要があったので今日は早めに切り上げて家で待機することになった。




