タコ
帰宅したのだが沙月とソフィアは明日リモートで会議を行うことになったそうで沙月組はお留守番となった。
沙月がいないのでレベルを合わせる事ができないが俺達の運搬の為にカレンには付いてきてもらう必要があった。
「私もいくぞ。サメ狩るなら私もいたほうがいいだろ?」
サメを狩る場合は海中で動けるのは俺だけの為、カナタに来てもらえると助かる。
「そうだな。カレンも運んでもらうだけになっちゃうけど頼む」
「了解です!」
ってな感じで決まり翌日。
まぁ夜にまたシトリーと一悶着あったのだが…一晩トイレに置きっぱなしにしたら反省したようなので今夜は大丈夫だろう。
「さて出発」
沙月とソフィアを残してダンジョンに出発する。
ダンジョンに入ってすぐに10層に飛ぶ。
「昨日より時間が早いからまだ復活してないよな、どうする?」
「それまではとりあえず数稼ぎに狩ってようぜ」
沙月に確認してもらった所、1日80体でもらえるらしい。
ミレイは沙月から預かったボートを出していた。
ミレイのアイテムボックスではこれをいれたら他に何も入らないレベルらしい。
「さて狩りますか」
俺とカナタは潜って狩りを始める。
カナタは特攻スキルが働いていないので1撃とはいかないがレベル差のおかげでなんとかなってるようだ。
どんどん集まってくるのでどんどん狩る。
まとめて吹き飛ばせる範囲攻撃があると便利なのだがそんなものはないので地道に狩り続ける。
80体達成。
潜水スキルをコピーして使ってるおかげでサクサク狩れる。
『討伐特典』
【1】特攻モンスターの変更
【2】特攻モンスターの攻撃値アップ
すくなっ!
これはすぐに達成できそうだ。
とりあえずいきなりボーナスモンスターだった場合も考えて島に戻る。
「2項目しかないわ」
「まじか、それならスライムの後は水棲系でもいいな」
固有スキルをレベルアップする為の数合わせとしては非常に良い相手だった。
そもそも水棲系って戦う機会も少なそうだしな…。
攻撃値を上げるがMAXにはならなかった。
「これも5段階もあるかわかんないから警戒しながら狩ろう」
またカナタと一緒に潜ってサメを狩り続ける。
カナタはサメを1撃殴ってこちらに誘導してくれるので非常に楽である。
そしてまた80体を狩り終える。
そして陸地に上がって項目を選ぶ。
何も起きないのでそのまま海に潜って狩るの繰り返し。
自分で探す必要がなくひたすら集まってくるのを狩るだけなので非常に楽である。
ほどなく80体を狩りおえ陸地に上がって攻撃値を選ぶと…MAXとなった。
「早すぎる…ボーナスモンスター出るぞ」
警戒していると現れたのは大型のタコだった。
島の海部分に現れたが全長10メートルはありそうな巨大なタコだった。
「なるほど水棲系ってことはこういうのも対象なのか」
感心しつつもスキルを確認する。
「触手?」
俺の言葉に全員が反応するとこちらに向かってタコの足が伸びる。
それを全員が躱す。
「この程度のスピードなら」
全員が無事に躱すと伸ばした足から追撃するようにタコ足が生えた。
「「「は!?」」」
全員がその予想外の攻撃に面食らったが、俺はギリギリ躱し、カナタはブレスで怯ませたがミレイが捕まってしまった。ちなみにドロップ品の関係でカレンは退避済みである。
「こんなもの!」
振りほどこうとミレイが力を入れるとその足からさらに足が生える。
そしてミレイの身体を完全に拘束する。
「くっ」
身動きがとれない状態になってしまったミレイを助ける為にカナタがブレスを吹くがミレイを気遣ってか、あまりダメージが入っていないように見える。
「こういう時は!」
俺はすぐにタコの頭部分に向かって攻撃を加えようとすると墨を吐いてきた。
「すでに捉えた目標が見えなくなったからといって俺が攻撃を外す訳ないだろうが!」
どんなに前が見えなくなっても一度場所を捉えている以上そのまま突っ込み一撃を加える。
海の中に離脱しようとしたようだが、俺の方が速く間に合わなかったようでクリーンヒットとはいかなかったようだが手応えはあった。
かなりダメージが入ったようで足をバタバタと苦しんでいる。
しかしこのまま海中にミレイを引き釣りこまれてしまうとまずいのでそのまま追撃をしようとすると腕から触手が生えて追撃を与えた。
「なんだこれ気持ち悪い…」
追撃をしたいという気持ちで先程コピーした触手が発動したようだ。
まぁ気持ち悪いが使える能力なのでそのまま能力を使って追撃を与えてタコが消滅した。
「触手自体にも感覚があるのはなんか変な感じだな」
捕まっていたミレイはカナタが介抱しているようなのでそのまま海に飛び込みスクロールを拾いにいく。
まだ海面付近にあったおかげですぐに拾うことができたのでそのままサメを足場に使って陸地に戻る。
「ミレイ大丈夫か?」
ミレイに駆け寄る。
「大丈夫です…気持ち悪かったですけど…」
消えた後もあのヌメヌメは残るようでミレイの身体は濡れていた。
急に気恥ずかしくなり目を逸らす。
「スクロールはどうだったんだ?」
そんな俺の様子をニコニコしながら覗き込むカナタ。
「ああ、まだ確認してないんだが…げっ!」
「どうした?」
「触手スキルだ…」
「「ええぇ…」」
これには二人も微妙な顔をしていた。




