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現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活  作者: 色蓮
第7章 罪と罰

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バカンス

 さてバカンスと言っても男は俺一人。

 しかも海にはモンスター…つまり海で遊ぶのは論外。


 ホテルの設備が使えるとはいっても食材は存在しない以上料理等を楽しむ事はできない。

 となるとホテルに備え付けのプールで遊ぶ事になった。


 皆が水着を持ってきていたのは知らなかった。

 いや海に入ると言っていたのだから持ってきてない俺が準備不足だったという話かもしれない。


 水着を忘れた俺は一人で風呂を楽しんでいた。

「ほんとにお風呂好きね」

 唯一、一緒に来たのは俺と来るしかなかったシトリーだけだ。


「まあな、日本では命の洗濯といってな俺にとっては色々洗い流す行為だからな」

 根本的な原因は母の血を全身に浴びた時に浴びたシャワーが忘れられないのかもしれない。

 血を流す事で罪が洗われる訳では無いが少し気分が軽くなるのを感じていた。

 それも俺が風呂を好む原因の一端だったりするかもしれない。


「また暗い事を考えてるわね」

「うるせ、そっちのせいもあるだろ」

「それもそうね、ごめんね!」

 こいつドンドン言動が軽くなっている気がする。

 一緒にいる…俺のせいか?

 まぁ話しやすくなるのであれば問題ないか。


「それにしても意外に便利に作ってあるんだなダンジョンってのは」

 転移石に関しては完全に見落としではあったが誰でも入手出来る機会があった。

 あれを公開すればダンジョンの探索は飛躍的に進むだろう。


「ダンジョンとしては潜って活動してもらう事が利になるんだものそりゃ色々と手を尽くしてるわよ」

「しかし、あれは使い方を教えてもらえないとわかんないだろ」

 転移石の使い方は実際教えて貰えれば簡単だが知らない人間ではどうしようもない。

 いや、あのギミックに気付いた人間であれば色々試すのだろうか?

「そこが変なのよね…情報が隠されているのかしら」

「隠すと言っても…ああエルフ達か」

「最初にある程度の知識を提供するように派遣された子達ね」

「転移石の存在は知っていたみたいだが取得方法や使い方に関しては何も知らなかったみたいだぞ…」

「妙ね…出し渋っている?」

 シトリーが不思議がっていた。

 西園寺さんの立場で情報を出し渋るメリットがあるのだろうか。

 うーん。イマイチ、ピンと来ない。


「そもそもその情報が彼女たちにも秘匿されていたのではないか?」

「そこに関しては管轄外だからわからないわね」

「まぁあまり突っ込むのはやめておくか。正直それがわかったとしてもこちらにメリットがない」

「そういうことならこの件は掘り下げないわ」

「他にも何か知ってる事があったら教えてくれ」

「アイテムとモンスターに関する知識ならわかるから頼りにしてくれていいのよ」

 実際データべ―スとしては非常に役に立っている。

 沙月のおかげで、すでに情報面では他の探索者よりも先んじている自覚はある。

 そこに加えてシトリーの存在だ。

 情報面での憂いは無くなったと言っても良い。


「しかしほんとにノッてこないわね」

 ちなみに先程からシトリーは裸で一緒に風呂に入っていたりする。

「霊体化状態でどうやってノれと…」

「あなたの今の魔力で実体化したらすぐ気を失うわよ」

「だろうな、結構魔力使ってしまったからな」

 レールガンはそれなりに魔力を消費する。

 俺の魔力では乱発出来るものではない。

 連射する分にはそれほど魔力を使わなかったせいで思ったよりは消費しなかった。

 あと1発位なら打てそうだ。


 しかし、これは1階に戻った時に使う用だ。これ以上に消費は出来ない。


 そんなこんなで風呂を上がって絶景のオーシャンビューを見ながら優雅に過ごす。

「これを作った事に関してはシトリーに感謝だな」

「あっんん…急に感謝を伝えるのは良くないわ…ちょっと癖になりそう…」

「感謝は伝えれる時に伝えとかないといけないからな」

「あなたが言うと重いわね…」


 こうやってのんびり過ごすのはどれくらい振りだろうか…こうやってのんびりするのも悪くない。


「あなたはあっちに合流しないの?」

「プールの方か?ああいうのは異性が混ざると面倒だろ」

「あっちは混ざってほしそうだったけど?」

「色々あんだよ…」

 俺は風呂に入ってのんびりしてると先に伝えた時にがっかりしてるように見えた。

 鈍感ではないのでどう思われているかについてはそれなりに察しているつもりだが受け入れるほど吹っ切れてもいない。

 そんな状況で混ざるのはハードルが高すぎた。


「ほんとに難儀ね…あなたは」

「めんどくさい男だろ?興味をなくしたか…」

「いいえ、日々興味が増してるわ」

 そういって俺に身体を押し当てる。

「お前実体化したな」

「一瞬だけしか出来なかったけどね」

 引き剥がそうとしたらすでに霊体化していた。


 まぁ一人よりも二人とはよく言ったものでシトリーとのやり取りをそれなりに楽しんでいる。

「そういえばあなたの固有スキルって特攻モンスターならそのモンスターのスキルが使用できるのよね?」

「そうみたいだぞ」

 試してみたのだがかなり有用な能力に進化したのは間違いなかった。


「モンスターを確認してからで良いのだけど次の特攻先はインプ系をおすすめするわ」

「インプ系か…」

 ここのダンジョンに変化が無ければ13階層で出現すると聞いている。

 だが、シトリーがそれを勧めてくる理由が分からなかった。

「面白いスキルを持ってるのよ…役に立つと思うわよ」

「面白いスキルっていってもなぁ使えるのはそのモンスターが生きてる間だけだぞ」

 スキルを使用可能なのはそのモンスターが生きている間だけだ。

 しかも一定距離離れてしまうと効果が失われる事も確認済みだ。


「借り物のスキルとはいってもスキル熟練度は上がってるはずよ」

 その言葉に俺はハッとすることになった。

「そうかスキル熟練度が上がれば…取得出来るのか…」

 完全に盲点だった。

「まぁあなたのスキルがどういう仕様になってるのか次第ではあるのだけどね」

 茶化して言うシトリーだったが可能性があると分かっただけヨシとしよう。


「それでインプ系はどんなスキルを持ってるんだ?」

「それは見ればあなたならわかるはずよ」

 勿体ぶってきた。

 ほんとに一筋縄ではいかないヤツだ。


「まぁお礼は言っとくよ、ありがとな」

「あっっん、だから急に言うのは止めなさい」

 そんなシトリーの様子を見て少し溜飲を下げつつ皆の帰りを待った。

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