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閃光パーティ(サキside)

そんなこんながあり色々と決めかねている所で光のやらかしである。

正直面倒を見きれないというのが正直な所である。


可哀想ではあるが生きて行くことはできる。

長時間の活動は無理でも探索者としてあげたレベルは国内でもトップクラス。


今までのような生活はできないが生きていくだけであれば恐らく問題はない。

それに今回の件を重くみた政府からも就職の斡旋があった。


そしてそういう話は私にもあった。

少なからず色々なパーティから声をかけてもらっていたのだが気になるパーティからの勧誘があった。


詳しい内容は話のあった氷川さんから聞くことになっているのだがかなり特殊なパーティらしくこの件に関しては内密にしてくれと言われている。


最初はもう厄介事はごめんだと思っていたのだが依頼元のパーティは先日そちらを助けたパーティだと言われすぐにハッとした。


「参加します!」


私は了承の返事をしていた。

「まぁ話は色々聞いてもらってからで大丈夫だから…」

食い気味に回答したせいでたじろがせてしまったことを申し訳なく思いつつ私の中では決定事項であった。


「私も別のパーティにいくから後は好きにして」

これが弟への別れの言葉となった。


光が投げた何かが扉に当たり衝撃が音となって廊下に響くがもう私の心は決まっていた。


その後、光は自分で引退会見を開き探索者を引退した。

まだ身体が回復仕切っていないので入院するそうだ。

(潔すぎる気がするんけど…色々反省してくれたのかな?)

引退会見までするとは思っておらず光の行動に疑問を覚えたが…すでに連絡先はブロックされており。入院先も別の病院に変わったようで一切光とは会うことも話すことも出来なかった。


(姉離れされたのだから私も弟離れしないとね…)

そう思って私は光と決別することになった。


その後氷川さんから説明を受ける。


かなり特殊な状況下のパーティであることを確認して身辺整理をした後、タイミングをみて合流すると返事をした。


ちなみに昔からパーティを共にしていた彼女を高収入と安全を傘に管理局へ口説き落としたようでその報告が彼女からあった。


ビジネス的な付き合いではあったが2年以上苦楽を共にした存在なので心配もあったのだが無事に就職が決まったようで安心した。


他の2人は仙道と共に転院したようでその先は知らない。


光は家を借りていたが私は近場のマンションを借りていたのでそれほど荷物はない…と言いたい所なのだが…私の趣味は場所を取る。


「とりあえず貸倉庫かなぁ…」

すでに大型の倉庫を借りているのでそこに部屋の荷物ごと保管しておくことにした。

(一度無くしたからそこから収集が止まらない…)


さすがにあの大荷物を運ぶのを頼む訳にもいかず後ろ髪を引かれる思いではあるが一部を除いて倉庫へと移動した。


モバイルハウスの部屋の内装を聞かれるという稀有な体験をして数日が経ち、準備を粗方終わり後は出発の日を待つだけとなっていた。


そんな折、さすがに何も言わずに日本を発つのも悪いと思い光の病院を訪ねようと思ったのだがいくら探しても見つからなかった。


(あの状態の治療が出来る病院って限られるはずなんだけど全国のどこにかけてもいないのはどういうこと?)


私に教えないようにしているということなら別に問題はないけど…

少し胸騒ぎがしたので一応氷川さんに話をしておくことにした。


「すいません…呼び出してしまって」


「いえいえこちらもバタバタしておりまして中々ご連絡が出来ず申し訳ない…」

頭を下げられてしまった。


「いえいえ、大丈夫です。今が大変なのはわかってますから」


「ご配慮痛み入ります…ところで今回はどうされましたか?」


「出発の時期が大雑把にわかればというのと弟の件でして…」


「出発時期についてはそちらの準備が整ったとの連絡がありましたので来週の中頃を予定していますが…弟さんに何かあったのですか?」


「いえ、転院先の病院を調べていたんですけど大きな病院にはどうやら転院していないようで一体どこにいったのかと思いまして…もしそちらで把握されていればと思ったのですが」


「彼らにはこちらから就職の斡旋をしたのですが断られてしまったのでこちらとしても行方は知りません…もしよければ探してみましょうか?」


「いえ…そういうことでしたら大丈夫です…あの子就職を断ったのですか?」


「ええ、こちらとしては迷惑をかけてしまったので一応慰謝料という形でお金をお振込みさせて頂いたのですが…それ以降の連絡は一切ありません」


「お金があるから働かない…うーん…」

光にしてはやはり行動がおかしい。

確かにかなりの慰謝料をもらったのかもしれないがそれで世捨て人になるのは想像が出来なかった。


「すいません…もし何かわかったらで良いので連絡を頂けないですか?向こうにいってからでも構いませんので」

やはり胸騒ぎが止まらなかった。


「わかりました。プライバシーの問題もあるのであまり大っぴらに調査はできませんが分かり次第ご連絡します」


「よろしくお願いします」


そんなやり取りをした後、親戚にも一応連絡を入れておいた。

かなり疎遠になっていたので本当に念の為だ。

案の定そちらにはいっていないようで八方塞がりとなった。


(こんなことになるなら側にいるべきだった…?)

いや…それではいつまでもお守りをすることになっていた。

いい加減弟離れしなくてはと新たな挑戦のことを考えることにした。

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