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現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活  作者: 色蓮
第4章 転身

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デート2(ミレイ視点)

日常回

アキラとミレイの二人で出かけるのは初めてだった。


俺は特に何も感じていなかったのだが、ミレイは内心穏やかではなかった。


(これって同棲前カップルが日用品買う的なことじゃない!?)


今日、買う必要があるのは布団や、歯ブラシ、コップ等の日用品。


最低限の衣類。


まさにこれから一緒に暮らすカップルの買い物だった。



(待って…私の格好…こんな色気も素っ気もない格好でどうして来てしまったのだろう…これでは駄目だ)



「すいません、そこの服屋に入ってもいいですか?」


「ああ、構わないが一人は危険だから付いていくけど大丈夫か?」


「あっ…えっと大丈夫です…」



(さっと買って終わらせるはずが…待ってもらう…ほんとにデートみたいになっちゃう!?)



今更引っ込みもつかずそれなりに高そうな服屋に入る。


しかし、ここ数年お洒落とは無縁の生活をしていた私に全身コーディネートは難易度が高すぎる…よし!


私は近くにいた女性の店員さんに近づく。


「すみません、いまから全身コーディネートお願い出来ますか?」


突然の申し出に店員は驚いていたが、ミレイのスペックを見てすぐにその凄さを理解したようだ。


「お任せください!」


実は店員ではなく店長だった女性は、店のおすすめコーデを片っ端から集める。


こんな美人に着て貰えるなら店の最高の宣伝になるからだ。


「あまり、時間もないのであまり数は大丈夫です…」


要望を聞き店員は、2セットのコーデを用意した。


ミレイのスペックに見劣りしない服を集めてきた。


(あまり持ってこられても困ってしまうので少なくしてもらったがどちらが良いか私には選べない…こうなったら…)


「アキラ、今から着る服どちらが良いか選んで貰えますか?」


「えっ…」


こういう時には恋人に選択を任せるのが一般的と何かで読みました。


それを参考にしてアキラに選んで貰うことにした。


「俺は、センスとかそういうのは皆無だぞ…ほんとにいいのか?」


「はい!アキラの気にいった方で大丈夫です」


それから私は貰った服に着替える。


一着目は春らしく薄いピンク色のコーデだが少し薄手の生地でこれからの季節を考えられていた。


露出は多くはなくミレイの体型では少し胸元が強調されるがこれは許容範囲内。


フレアスカートで少し足が見えるがそこまででもない。かなり落ち着いたコーデのはずなのだがミレイの身体だと凹凸が目立つ。


恐らくスタイルに自信がある人が着る為のコーデなのだろう。


それには私は気付いてなかった。


「どうでしょうか?」


試着室を出てアキラに見せる。


アキラはこういった経験が無いのか戸惑いながらこちらを見る。


「似合ってるぞ…かなり…」


アキラなりの褒め言葉を貰い嬉しくなる。


「じゃあ次に着替えますね」



二着目はかなり露出箇所が多く胸元も大きく開いていた。


ミレイのスペックを最大限に活かすなら確かにありかもしれないがこれは恥ずかしい。


しかしそれを見越して上着がセットだった。薄手のカーディガンで胸元は薄ら見える程度でこれなら問題は無さそうだ。


下は先ほどのより薄手でヒラヒラしていて少し落ち着かない。しかし色味は先ほどよりも好みだった。


春に相応しく薄手ではあるが防寒も考えられてるコーデだった。


着替えて試着室を出た。


「どうでしょう…?」


先ほどのよりも露出が多い為少し恥ずかしかったが見てもらうと覚悟を決めた。


「あっおう…似合ってるな」


アキラとしては最大限の賛辞だったようだがかなり戸惑っているのが目に取れた。


(これは意識してくれているのだろうか?)


ミレイとしてはアキラに好意を持ってもらいたいと考えてはいるが自分からそれを伝えるのはまだ無理だった。


妹のことが解決し少し浮かれていたが、アキラには好意よりも恩義を強く感じておりまだそこまでは至ってはいなかった。


「どちらがいいと思いますか?」


「うーん…」


アキラはすごく悩んでいるようだ。


「ミレイはどっちも良いと思ってるんだよな?」


「そうですね、どっちも良いと思ってます」


「なら両方買って帰ろう。俺も両方似合ってると思ってるし」


男の回答としてはこれは正しかったのだろうか?


恋愛経験がほとんどないミレイには判断がつかなかったが両方とも似合っていると思ってくれているのならば両方買っていってまた着れば良いと思った。



「じゃあすみません、これ着ていきますのでお会計してもらってもいいですか?」


「わかりました、じゃあタグとか取りますね」


店員さんはそういって試着室に一緒に入りタグを取ってくれた。


店員さんはそれともう1着目の服を持って試着室を出ていった。



今まで自分が着ていた服を畳み、服に乱れなど無いか確認してから試着室を出る。


「どうぞ、この袋をお使いください」


そういって店員さんからもらった服に今まで着ていた服を詰める。


「じゃあお会計を」


そう言ってレジに向かおうとするが。


「あっお会計はお連れ様がすでに済ましてくれましたよ」


「えっ!?」


アキラはすでに店の前で待っていた。


「ありがとうございました」


店員さんに見送られて店を後にする。


「すみません、お会計して頂いて…おいくらでしたか?」


残念ながら舞い上がっていたミレイは値札の確認をしておらずいくらだったか見当もつかなかった。


店員さんに確認したがお連れ様に聞いて下さいと言われて教えて貰えなかった。


「いや、2着買えばって提案したのは俺だしな。それにこういう時は男が出すのがかっこいいだろ」


「いやでも!」


「ここは奢られておくのがマナーってもんさ。それに今回の作戦かなり無理してもらったしなお礼ってことで」


そんなことを言ってごまかされ、アキラはお金を受け取ってはくれなかった。


アキラからのプレゼントだと思うと今着ている服がすごく大切な物に感じた。



それからしばらく幸せな気分でアキラとの買い物を楽しんだ。


夕方だったこともあり、人も多かったのだがいく先々で恋人と間違われデート気分を楽しめた1日だった。


必要物資をすべて買ったことでかなりの大荷物になってしまったが腕力が増している私達にとっては特に問題はなかった。お互いに大荷物を抱えた状態でまたダンジョンへと戻った。


その日のモールでは大きな荷物を抱えたキレイな女性が闊歩していると話題になったとかならなかったとか。ちなみに服を購入したお店は、そのおかげかしばらく繁盛したそうだ。

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