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現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活  作者: 色蓮
第1章 飛躍

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思い立ったが吉日

 手に入れた100円を眺めて色々と思う所があった。


 特攻スキルはハズレスキルと言われていたがその恩恵は実感することができた。



 この100円はスキルのおかげで倒すだけなら数秒で手に入れることができた物だ、時間的なことを考えれば派遣で働くよりも稼ぐことができる。


 もちろんスライムを探す時間が発生するからにはその限りではないことも理解している。閑散期であればそれほど混み合うことは無いという情報もあった。



 直近ではある問題も発生している。


 魔力を得たことで今住んでいる所は3ヶ月以内に出ていく必要があった。魔力を持っていればもちろん就職先は無しの頃とは比べ物にならない。だが、そもそも就職先が増えた所で俺が入れる会社で得られる給料はそれほど多くない。特需による影響はあるだろうが、ほとんどの国民が魔力持ちな時点でやっと同じラインになるだけだ。



 それを踏まえると何度か探索者として潜ってみるのもいいかもしれないと思い始めていた。


 問題があるとはいえそれなりに蓄えもある。試しに何度か潜ってみるか・・・そうと決まればどこのダンジョンに潜るかとかを決めるか。



 そうと決まれば、相談できる人は限られていた為、直ぐに電話した。


「もしもし、相談したいことがあるんですけど」


 電話口の人物は驚いているようだったが、まだ施設内にいるのでそこに来るように言われた。



 部屋の近くにいた受付の人に席を外すことを伝え目的の場所に移動する。


 目的の人物は先程と同じ場所にいた為、特に迷うことなく辿り着くことができた。



 部屋に入ると目的の人物である日和は、出ていった時と同じようにタブレットを片手に椅子に座っていた。



「今日の今日で連絡があるとは思わなかったよ。で相談ごとっていうのは探索者についてってことでいいのかな?」



「先ほど電話でお話した通り、探索者になった場合のことを聴きたくて」


「なるほど、固有スキルについては隠し事をせずに説明したつもりだったんだけど、ほんとに探索者になるんだ」



「まだ、なると決めた訳ではありませんけど試してみたくて」


「いやぁその選択は私好みだね。焚き付けた責任もあるしいいよ、色々教えてあげよう」



 それから簡単にではあるがレクチャーを受けた。


 朗報だったのは、探索者になった場合は魔力無しの時と同じように住む場所が与えられるということだ。国としても探索者にはダンジョンから資材を持ち出してもらう必要がある為、手厚い補助があるとのことだ。


 特に日本は探索者になる人が各国と比べると少ない。


 それは、探索者になる必要が無いほどに豊かということが側面としてはあったが、日本人の気質的にモンスターであっても傷つけ、倒すという行為に忌諱するところがあるようで、探索者の数は人口としての比率で考えるとかなり少ない。



 一定以上の成果をあげる必要はあるが、探索者になった場合の心配が一つなくなった。


 あとの問題は収入面だった。



「収入に関しては、君のスライム特攻スキルでひたすら倒し続ければ、1日8時間で50体ほどは倒せると思う、つまり収入的には5000円ってとこだね」



 一日5000円で家賃補助+αなら許容範囲ってとこか・・・




 収入としてはかなり少ないが、家賃補助と探索者としての特典がかなり大きかった。


 各種税金の免除及び、成果に応じた報酬+ダンジョン併設施設の各種割引等である。




 ダンジョンにさえ潜っていれば、恐らく今と同じ生活水準を保つことは可能というのがざっくり試算した結果であった。


 日和はこちらがスマホの計算機で計算してる様子を見て


「若い割に意外としっかりしてるんだね。家計簿までつけてるなんて」


「そうですね、国に補助をもらってる以上無駄遣いとかする訳にはいかないんでしっかりつけてますよ。まぁその補助ありきで生活を考えてる以上思うところはありますけど」



「いやいや、もらえるもんはもらっとくべきだよって私は思うよ。特に探索者は命を担保にしてるわけだしね。年間一人か二人はスライムによって重症を負う人もいるんだから」


「そうですね、命を担保か・・・まぁそう考えれば少しは気持ちが楽になります。ありがとうございます」



 今後の生活に特に影響がないことがわかったし、専門家からのお墨付きも得た、とりあえずは何度かダンジョンに潜りほんとにその生活が可能か検証しよう。



「すいません、早速明日からでも潜りたいんですけどこの近くに宿泊施設はありますか?」


「わお、もう明日から潜るんだね。すごい行動力だね」


 と驚いていた。


「どうせ無職でやることもないですし、思い立ったが吉日ともいいますし、なんなら今からでも潜ろうかと思ってます」


 時刻はなんだかんだと時間が経ち16時を回っていた。


「まぁ今日はさすがに休んだほうがいいと思うよ。宿泊施設はあるにはあるけど・・・うーんそうだな・・・」



 なにか考えごとをしていたがタブレットを少し弄り


「明日も検査を受けてもらうことにしたから、今日から数日はうちの施設に泊まるっていうのはどうかな?」


「良いんですか!?」


「もちろん、朝イチに検査の予約を入れておくから、検査の為の宿泊ってことで申請しといてあげる」


「そんなこと良いんですか?」


「あなたは数少ない魔力0からの覚醒者だし、色々データを取れるとこっちも助かるからってことにしてあげるよ」



 そういってくれた日和に対して立ち上がり深々と頭を下げた。


「本当にいろいろとありがとうございます!」


「そんな頭なんて下げなくていいから、こっちとしてもデータ取りたいしね」



 日和の心遣いでしばらくここのダンジョンに潜ることができることになった。


 日和の仕事が終わり次第施設に案内してくれることになったので、一度先ほどの会議室に戻ることにした。


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