ミラ・ジュンの手紙
ミラ・ジュン達が去って行くと、トーガはある魔導書を見ながら、仲間達に指示を始めた。
「おい、トーガ、その魔導書は、本当に正しいのか」
「当たり前だろ、どうやら、有名な先生が書いたものだから」
トーガは笑いながらその魔導書を見せた。その書物を見た仲間の一人はそれから妖しい魔力を感じる。
「トーガ、それから妖しい魔力を感じるが」
「気にするな、魔力ぐらいあるだろう、その先生は強い魔力を持っていたのだから」
彼は仲間の言った言葉の半分も聞かずに言った。
「よし、これで終了だ」
トーガがそこから去ろうとすると、仲間の一人が彼に注意を促す。
「トーガ、念の為にもういくつか結界を張っていた方がいいのじゃあないか」
「お前は、この魔導書のことを信用してはいないのだな」
トーガはその仲間を睨みつけた。
「念の為だ。他の誰かがその魔導書を読んでいたら、危ないだろ」
「心配ないさ、この魔導書は突然、オレの目の前に現れたのだから」
彼は笑って、その場から立ち去った。その仲間はその様子を見て、他の仲間と顔を見合わして最悪なことが起きないことを願って、彼を追いかける。
「これを持っていけば、いくらか罪を軽減されると思うわ」
少し眠っていくらか気力を取り戻したミラはこれまでのことを手紙に認めた。
「本当にごめんなさい、こんなことをしてもらうなんて」
ライラが言っていると、エレが少し不安そうに言う。
「でも、これがあっても、他のツインズ・ハートに迷惑がかかるのは防げないのでは」
「大丈夫、ボクはあの男よりは信用されているから」
ミラは笑った。
「だから、安心しろよ。今は、他の奴らの心配よりもこれからの自分達の責任の取り方を考えろよ」
ジュンがミラからカラダのコントロールを借りて言う。
「そのとおりだ。たぶん、ミラが書いた手紙で大丈夫だ。それには真実しか書かれていないから」
セイが静かに言った。
「でも、あの男が否定したら」
エレが不安そうな声を出した。
「それなら、大丈夫だよ。委員会ならあの男とミラ・ジュンの言うことが、どちらが真実なのか、ちゃんと判断してくれるよ」
ケシトがセイからカラダのコントロールを変わって、ミラ・ジュンの方を見る。
「ともかく、それを持って、この近くの委員会の事務所に行ってね」
彼女が笑うと、エレが訊ねた。
「ミラ・ジュン、あなたはこれからどうするの」
「一眠りして、魔王の封印の場所まで行ってみる」
ミラ・ジュンはケシト達の顔を見る。
「それから、どうするの、ミラ・ジュン」
ライラは驚きエレとカラダのコントロールを変わって、彼女を見た。
「彼らが行った結界再生はおそらくあまり効果は期待できないから、魔王が出てくる可能性がある。だから、調べに行くの」
「そうなの、気をつけてね、ミラ・ジュン」
ライラがそう言う。
「わかっているわ、もし、魔王が結界から抜け出しても、魔力を回復はできないから、なんとかなるかも」
ミラ・ジュンは笑った。
「魔王の魔力が回復しないってどうゆうことなの、ミラ・ジュン」
ライラが訊ねると、彼女は言う。
「あそこに魔法吸収水晶を置いているから、あそこに漂っている魔王の魔力は回収されている筈だから」
「そう、それならいいけど」
ライラは心配するが、エレが呟く。
《それなら大丈夫だね》
ケシトはその様子を見て言った。
「だが、五重結界のやり方が間違いなければ、いいのだけど」
「残念だけど、五重結界のやり方に順番は存在しないわ、個人によっては逆にやったりしているわ」
ミラ・ジュンがそう言うと、ケシト達は驚く。
「それなら、やり方を間違えると、結界そのものが崩壊する恐れがある」
「そのとおり、トーガの手元にある魔導書とおりに結界を張ったら、間違えなく崩壊を起こす可能性があるわ」
ミラが言うと、ジュンが訊ねた。
《どうゆうことなの、ミラ》
(姉さん、少し待って、みんなに説明するから)
ミラはジュンを説得して、周りを見て、口を開く。
「あの時、トーガの手にある魔導書があったわ、彼らはその魔導書のとおりに結界を張り直していたわ」
それを聞いたライラ達は愕然とした。
「それってすごくやばいのじゃないの」
「そうだね。その魔導書自体を、怪しいと思うべきだということだね」
アックスが周りを見ながら言う。
「だから、行くわベガルタの封印されている場所へ」
ミラ・ジュンは立ち上がった。
「ごめんなさい、ミラ・ジュン、ワタシタチが」
エレがライラからカラダのコントロールを変わって謝ろうとすると、ミラ・ジュンは笑顔で言う。
「悪いのはガルガスです。言葉たくみにあなた達を己の思い通りに動かそうと仕向けられたのよ」
「そのとおり、あとは委員会の判決に従ってね」
ミラとジュンは交代しながら言って、笑って歩き出した。
「あとのことは、ミラ・ジュンと俺と俺に任せてくれ」
アックスはそう言って、ミラ・ジュンのあとについて行く。




