マリオットの解除
その時、セイ・ケシトがアルムスとエニガスを見つめて言った。
「だが、確か、闇の召還獣と光の召還獣は仲が悪いと聞いたことがある」
エニガスとアルムスがお互いの顔を見つめ言う。
「我らはそんなことはない」
「他の連中は仲が悪い奴らもいるがな」
その様子を見ていたマリオット達は彼女達を取り囲んだ。
「ガキども、そんなことをしている場合じゃあないぞ」
「それはどうかしら」
ミラ・ジュンは杖を構える。
「黙れ、それで我らに勝てると思っているのか」
「思っているよ。だって、ワタシタチは強いから」
ミラ・ジュンはマリオット達を見た。
「どうゆうことだ」
マリオット達は怒りで顔色を変える。
「おかしいわ、どうゆうことなの」
ライラ達は首を捻った。
「たしか、ケシトの記憶だと、彼らは感情を失っている筈だ」
《そうだ。たしかに、ガルガサと一緒になって、彼らから感情を奪った筈だ》
ケシトはそのことを思い出す。
「すでに、あなた達はマリオットじゃあないわ」
ミラ・ジュンがマリオット達に言った。
「ミラ・ジュン、どうゆうことなの」
ライラが気になったので訊ねると、ミラ・ジュンはマリオットだった者達のいる地面を指さす。
「あそこに、『マリオット』を解除する魔法陣を描いたの」
その場所を見ると、複雑な魔法文字が描かれている魔法陣が存在した。
「凄いな、ミラ・ジュン」
後から来たアックスが驚く。
「そういえば、ミラ・ジュンが通っていた魔導学校は武術を教えて、魔法の発動を早くする特訓をしていたな」
セイがそのことを思い出した。
「そういえば、あの時も」
アックスはミラ・ジュンとガルガスとの戦いのことを思い出す。
「ガルガスもダレスの記憶を持っているから早いよな」
セイはそう言って、マリオット達の方を見ると、彼らは周りの様子を見て騒ぎ出した。
「此処は何処だ」
「魔王レガルタが封印されている洞窟です」
ミラ・ジュンが彼らに言う。
マリオットになった男達が声のした方を見る。
「それに、お前達は」
「そうよ、あたしはあなた達をマリオットに変えた者よ。それが間違いだったことに気がついて、ミラ・ジュンの仲間になったのよ」
ライラがそう言ったが、エレが言った。
《ライラ、それはわたしでしょう、あなたが背負う必要がないわ》
(彼らにとって、あたしだろうとあなただろうと関係はないわ)
ライラが答える。
「そうか、思い出したぞ、ガルガスと一緒になって俺達の意識を奪った奴だ」
男達がライラ達を睨むが、その前にミラ・ジュンが立ち塞がった。
「あなた達にそんなことを言う資格はないよ」
「うっ、たしかにそうだが」
男達は今まで自分達が行なっていたことを思い出して項垂れる。
「それでいいわ、でも、ガルガスを止めないと」
ミラ・ジュンはレガルタが封印されている虹色の球体を見ると、そこから強大な魔力が溢れていることを感じた。
「まずいは結界に穴が空いたわ、このままじゃあ、レガルタが復活してしまう」
「なんだって」
男達やライラ達は慌てだす。
「ライラ、セイ、あの人達を連れて逃げて」
ミラ・ジュンはライラ達の方を見て言った。
「あなた達はどうするの、ミラ・ジュン」
ライラは訊ねる。
「此処はワタシタチが片付けるから、逃げて」
ミラ・ジュンは笑って、ガルガスの元へ向かった。
「どうしたらいいの」
ライラは迷った。いくら、ミラ・ジュンか強い魔力を使えるとしても、魔王の魔力に立ち向かえるかわからないから。
「此処は俺に任せてくれ」
アックスがバトルアックスを肩に乗せて言った。
「ですが」
ライラは焦る。
「彼女達を守ってみせるさ」
アックスは笑って、ミラ・ジュンを追いかけった。
「アックスさん、危険ですよ」
ミラ・ジュンはついて来ている。アックスに言う。
「言っていただろ、キミタチを護るって」
「でも、それは」
ミラはアックスの言葉に迷ってしまった。
《これは、あなたの負けね、ミラ》
ジュンは呆れて言う。
(わかった。姉さん)
ミラも覚悟を決めた。
「アックスさん、ありがとうございます」
「早く、ガルガスの野望を止めに行こう」
アックスはそう言って駆け出す。
「はい」
ミラ・ジュンもその後に続いた。




