光の召還獣と闇の召還獣
洞窟の中では魔王レガルタの魔力を奪う為の祭壇ができつつあった。
「そこまでよ。ガルガス」
一人の女性の声が響く。
「やっぱり来たか、ミラよ」
ガルガスはその声がした方を見て、一瞬、驚いた。
「何故、お前達が、そこにいるのだ」
ガルガスはミラ・ジュンと共にいるエレとケシトに驚く。
「やっぱり、あなたにとって、エレはそれだけの存在だったのね」
エレの口から彼女とは違う口調が出た。
「もしかして、お前がライラか」
ガルガスが驚いていると、彼女の口から普段の彼女の口調が出る。
「まさか、お前達、仲直りをしたのか」
「そのとおりよ」
ミラ・ジュンがガルガスを睨んだ。
「お前が、アイツラの仲を取り戻したのか」
ガルガスがミラ・ジュンに言った。
「ワタシタチはキッカケを作っただけ、後は彼女や彼が話し合って決めたことよ」
ミラ・ジュンはガルガスを再び睨みをきかす。
「そんなバカな、そんなことはありえない、双子達の仲を引き裂いた筈なのに、それにどうやって、封印した寄生虫に接触できたのだ」
ガルガスは震えながらミラ・ジュンを見つめた。
「それは、あなたが、ボクを封印したから、その魔法の原理がわかったから解くのは簡単だったよ」
「なんとゆう、チカラだ」
ガルガスは言いながら、ふと、ミラ・ジュンを見てあることに気がつき、彼女の髪にある髪飾りに注目する。
「そうか、そうゆうことか、『光りの聖魔導師』というのはその髪飾りのおかげか」
「そう思っているの、でも、それは、ちょっと違うわ」
彼女は笑った。
「お前を少し買いかぶりすぎた様だ。こうなれば、お前も人形にするか、そいつら同様に」
ガルガスは懐から数本の魔法水晶を取り出して、呪文を唱えると、数体の召還獣が現れる。
「おい、お前達、あの者達をたおせ」
「イエス、マスター」
その召還獣達はミラ・ジュン達に襲いかかって来た。
「まったく、なにを考えているの、ガルガスは」
エレはあることを思い出してガルガスを睨む。
「しょうがないだろ、誰だって、あの髪飾りの本来のチカラを知らなければそう思うよ」
ケシトが言うと、セイがカラダのコントロールを変わって言った。
「そういえば、ダレスもそのことを知っている筈だろ」
「あ、そうだったね」
エレとライラの二人はそのことを思い出す。
「それよりも、奴の召還獣が遣ってくるぞ」
アックスが叫んだ。
「そうね、こちらも召還獣を呼び出しましょうか」
ミラ・ジュンはそう言って、懐から二本の魔法水晶を取り出して、呪文を唱えた。すると、二体の召還獣が現れた。その様子を眺めていたガルガスは笑い出す。
「たった二体の召還獣で、ワシの召還獣に勝てると思っているのか」
その時、ミラ・ジュンが呼び出した召還獣がガルガスの召還獣を吹き飛ばし、すぐに、水晶へ戻った。
「バカな、小娘が呼び出した召還獣にそんなチカラがあるとは」
ガルガスは愕然として、彼女の召還獣を見て、あることに気がつく。
「まさか、そんなことはありえない、あの二体は上級召還獣だ」
その二体の召還獣はガルガスを睨みつけた。
「まったく、我らの姫達のチカラを読み違えるとは失礼な奴だ」
黒い東洋風の鎧を着ていて片刃の剣を肩に乗せている召還獣が呟く。
「仕方がないと思う。普通なら、姫様のアレがチカラを押さえるモノだと思わないから」
銀色の西洋風の鎧を着て両刃の剣を持っている召還獣が言った。
「ミラ・ジュン、その二体の召還獣は上級だよね」
エレ・ライラがミラ・ジュンの召還獣を眺めて尋ねる。
「そうだよ」
彼女は少し苦笑する。
「そんな、バカな、ワシの知識に間違いなければ、あの二体は、ライト・ロードナイトとダーク・ソード・マスターだ。だが、あの二体は光と闇だ。その二体を同時に召還するとはありえない」
ガルガスは驚く、そんなことができるのは、よほどの強い魔力がなければできない、それに相反する属性の魔法を使える者の数が少いのだ。
「ガルガス様、そろそろ球体に穴が空きます」
マリオットの一人がガルガスに状況を報せる。
「そうか、これで、ワシは最強の魔力を手に入れることができる」
「だめ、他人の魔力を手に入れることはできないわ」
ミラ・ジュンが手を伸ばして言った。
「いや、それが、ある儀式を行えば可能だそうだ」
ガルガスは笑いながら、魔王レガルタが封印されている球体へ歩き出す。
「止めないと、一つ間違えれば、魔王レガルタが復活してしまう」
ミラ・ジュンはガルガスの後を追いかけ始めた。
「待って、ミラ・ジュン」
エレ・ライラもその後へつづく。
「さて、俺達も生きますか」
アックスはセイ・ケシトに声をかけた。
「そうだね、女の子達だけに、やらせるわけにはいかないな」
彼らは頷いて、ミラ・ジュン達を追いかける。その様子に気がついたガルガスはマリオット達に命じる。
「ワシの儀式が終了するまで、そいつ等の相手をしろ」
「はい、わかりました」
マリオット達は、ミラ・ジュン達に襲いかかった。
「どうしよう」
エレが迷っていると、ライラが声をかける。
《あたしが替わろうか》
(でも、大丈夫なの)
エレが心配そうに呟く。
《大丈夫、任せて》
ライラはカラダのコントロールを替わって、マリオット達を睨んだ。
「あたしが相手になるから、かかってきなさい」
「お前達はマスターの高貴なる目的を阻む者だ。その者には死を与えるのが我らの使命だ」
マリオットの一人が言って、彼女に襲いかかって繰る。
「思ったとおり、この人達の意志は完全にガルガスの支配下に置かれているわ」
「まったく、そのとおりだよ。こいつらはたしか、ケシトとエレさんがマリオットしているのにオレやキミの顔を見てもなにも反応しないから」
ケシトからカラダのコントロールを替わったセイが魔法の杖を構えて言った。
「なにを言っている」
その様子を見たライラが驚いていると、ミラ・ジュンはその召還獣を見つめて言う。
「あの召還獣は下級召還獣だよ」
「そうなの、よくわかったね」
ライラが訊ねると、ミラ・ジュンは頷いて、自分の召還獣に言った。
「お願い,アルムス、エニガス、なるべく、彼らが魔法水晶に戻れる様にして」
「わかりました。姫」
「はい、姫様」
二体の召還獣は頷いて、その召還獣達へ立ち向かって、召還獣達をたおして、魔法水晶に戻していった。
「ところで、ミラ・ジュン、その召還獣も名前有りなの」
「そうだよ」
ミラ・ジュンが笑うと、エレ・ライラがあることを思い出す。
「そういえば、あなたは、オールナインだったね」
「オールナインって、全ての元素を使える者にあたえられる称号だったね」
セイ・ケシトが思い出した。
「そのとおり、我らの姫様はオールナインだ」
「ところで、あなた達、みなさん、名前有りだよね」
エレ・ライラが訊ねて、あることを思い出す。それは、上級召還獣には忠誠を誓うマスターに名を証す者かいることを。
「まあ、我らは姫のことを気に入ってるからな」
アルムスと呼ばれた黒い東洋風の鎧を纏った召還獣 ダーク・ソード・マスターが言った。
「まあ、そうゆうことだな」
エニガスと呼ばれた銀色の西洋風の鎧を纏っている召還獣 ライト・ロードナイトが頷く。
その様子を見て、エレ・ライラは首を捻った。
「ねぇ、あなた達、仲がいいのね」
「そうだな、そういえばそうだな」
二体は頷き合う。




