燃える移動屋敷
偉大なる炎とイーナスとの話し合いを聞いていたミラ・ジュンが言った。
「偉大なる炎さん、あなたの魔法水晶を探し出して、水晶へ戻さないと」
ミラ・ジュンが移動屋敷へ向かおうとすると、偉大なる炎がそれを止める。
「待ってくれ、あの屋敷を燃やしてから探してくれないか」
「それは、ちょとできません、あの屋敷の書斎には千年以上前の魔導書がありましたみたいなので、それらを回収したいので」
ミラ・ジュンが笑った。
「魔導書の回収だって、どうゆうことなの、ミラ・ジュン」
「さっき、偉大なる炎さんを縛りつけていた物を破壊した時に、色々な本棚が見えて、その本のほとんどが魔導書だったの」
ミラ・ジュンが言うと、エレ・ライラは驚く。
「見えたの、ミラ・ジュン」
「そうだよ」
彼女がそう言っていると、セイ・ケシトは思い出した。
「たしか、魔導書を発見したら回収しなくてはいけなかったな」
「そうだよ。だから、魔導書を回収しながら、偉大なる炎さんの魔法水晶を探しましょう」
ミラ・ジュンが移動屋敷へ歩きだすと、エレ・ライラはあることを思い出す。
「待って、ミラ・ジュン、移動屋敷がいつ移動するかわからないのよ」
「それは大丈夫だよ。アレはもう移動はできないから」
ミラ・ジュンが答えた。
「どうゆうことなの、ミラ・ジュン」
エレ・ライラが訊ねると、彼女は真剣な顔になった。
「あの移動屋敷は偉大なる炎さんを縛りつけてた水晶によって移動していたの、それをボクが破壊したのでもう移動はできないわ」
「そうなのね、それなら、魔導書の回収を始めましょう」
エレ・ライラはミラ・ジュンを見る。
「魔導書の回収か、行くのか」
アックスが訊ねると、ミラ・ジュンは頷いた。
「水晶を破壊した時、魔法の矢をコントロールで魔導書が見えてしまったの、だから、回収しなくてはいけないの」
「そういえば、魔法を使える者は魔導書を発見した場合はソレを回収しなくてはいけなかったな」
アックスは思い出す。
「はい、そのとおりです」
ミラ・ジュンは頷いて、移動屋敷へ歩きだすと、エレ・ライラ質はその後に続いた。
屋敷へ入ると、ミラ・ジュンは迷わずに、書斎へ向かう。
「どのくらいの魔導書が在るの」
エレ・ライラがその書斎の本棚を眺めて、言うと、セイ・ケシトが頭を抱える。
「それなら、心配はないよ。ボクの収納魔法だとこのくらい大丈夫だよ」
それを聞いたアックスは驚いた。
「収納魔法だって、どのくらい収納可能なんだ。ミラ・ジュン」
「万冊ぐらい、かな」
ミラ・ジュンは少し笑う。
「確かにそのくらいあるね」
エレ・ライラが本棚を眺めて呟いた。
「さぁ、回収しましょう」
ミラ・ジュンがアックス達を見て言う。
「そうだな、どう仕分ける」
セイ・ケシトが本棚を眺めて言った。
「大丈夫みたい、ちゃんと分けてあるみたい」
ミラ・ジュンは本棚を眺めて答える。
「そうなのか」
セイ・ケシトがあらためて眺めると、ちゃんと項目ごとに分けられていた。
「よし、詰めよう」
「はい、そうしましょう」
ミラ・ジュンは笑って、収納魔法を展開して、まとめて入れ始める。
「見て、これって、ガレヌダの真書の魔導書じゃあないの」
エレ・ライラが驚いた。
「思った通りに、そのての魔導書があったね」
ミラ・ジュンは驚くなく言う。
「わかっていたの、ミラ・ジュン」
エレ・ライラは目を大きく開いた。
「はい、この屋敷の存在が千年以上あったので、そのくらいの魔導書があると思っていました」
ミラ・ジュンは本棚から魔導書を一冊を取り出して言う。
そうして、彼女達は、屋敷にある魔導書を回収をしている途中で偉大なる炎の魔法水晶を探し出した。
「これで、此処を燃やすことができるね」
ミラ・ジュンは笑った。
彼女達が屋敷から出ると、偉大なる炎とイーナスが待って、イーナス声をかける。
「姉ちゃん、回収が終わったのかい、ところで、偉大なる炎の魔法水晶は見つかったのかい」
「見つかったよ」
彼女は魔法水晶を見せた。
「それだ。それが、私の魔法水晶だ」
「それじゃあ、姉ちゃん、後は、あの屋敷を跡形もなく燃しきるだけだな」
イーナスがミラ・ジュンを見て言う。
「じゃあ、オレはひっこむから、後はあんたの思うとともにやりな、偉大なる炎」
「感謝する、アッツイノ」
偉大なる炎はイーナスに頭を下げた。
「じゃあ、姉ちゃん、オレをひっこめて、あの二人を呼び出しな」
「あの二人ね、わかった」
ミラ・ジュンは頷く。
「あの二人って」
エレ・ライラが訊ねると、彼女は笑って、二つの魔法水晶を取り出した。
「ウィガスト・ガルーガとウォタム・マーメイドの魔法水晶だよ」
その言葉にセイ・ケシトが驚く。
「待ってくれ、ミラ・ジュン、その二つは最強の召喚獣ではないか」
「そうだよ。二人に協力してもらって、移動屋敷を燃やしきる予定です」
ミラ・ジュンはもう一つの魔法水晶を取り出して、イーストを戻した。
「じゃあ、来て、ウィガスト・ガルーガサカラ、ウォタム・マーメイドメルカ」
ミラ・ジュンが持っている魔法水晶を掲げて叫ぶと、二体の召喚獣が現れる。
「ミラ・ジュン、待ちこがれていたよ」
背中に白い鳥みたいな羽根を持ち足が鳥の足の女性と美しいは羽衣を纏い足が魚の尻尾を持ち空中に浮かんでいる女性が現れた。
「あ、偉大なる炎、おしっさ」
「二人共、久しぶりだな」
偉大なる炎が彼女達を見る。
「ねぇ、二人共、お願いがあるのだけど、偉大なる炎さんの手伝いをして」
ミラ・ジュンの言葉に二人は頷いた。
「わかったわ、我らのマスター」
サカラは言った。
「そうしたら、サカラは屋敷の風周りを良くして、メルカは屋敷付近に水の障壁を張って、周りに被害が出ない様にして」
「わかった、ミラ・ジュン」
エレ・ライラ達は呆然とその様子を眺める。
(どうゆうことなの、召喚獣ってあんな感じではないでしょう)
《私にもわからないよ》
エレの言葉にライラは迷った。
セイ・ケシトも同様に呆然とする。
「じゃあ、お願いね、二人共」
サカラ達は頷いて、移動屋敷へと向かって行った。
偉大なる炎とサカラ達は、移動屋敷へたどり着いた。
「さて、ミラ・ジュンの指示道理いきましょう」
サカラはメルカに声をかける。
「わかった。水の障壁を張って来るから、偉大なる炎、思いきり、やっちゃって」
「感謝する、清くなる泉よ」
偉大なる炎はメルカに頭を下げた。
「さて、いきますか」
サカラは偉大なる炎の方を見る。
「そうだな、思っきり燃やしますか」
そう言うと、偉大なる炎は両手から炎を出した。
「じゃぁ、いきますよ」
サカラは両手を振って、ミラ・ジュンが先程、開けた穴を風のチカラで広げる。その穴に偉大なる炎はその穴に両手の炎を流し込むと、サカラはその炎が屋敷の中を循環する様に風をコントロールをする。
「さすが、ミラ・ジュン、風の通り道示してくれている」
「本当に変わっている奴らだな、お前達は」
偉大なる炎は彼女達を見た。
「そうでしょう、我らは風変わりな召喚獣だと自覚をしているから、そして、あの二人はもっとも変わっているから」
サカラは笑っていると、偉大なる炎は、彼女を見る。
「あの二人って、あの最強召喚獣と名高い、二人か」
「そうだよ。あの二人だよ」
メルカは笑顔で言った。
彼女達が話し合いをしている間に移動屋敷が燃え始める。
「これで、移動屋敷は燃え尽きみたいね」
「あぁ、これで燃え尽きるな」
偉大なる炎が静かに呟いて、燃えている移動屋敷を眺めた。
一方のミラ・ジュン達は移動屋敷を眺めていると、突然水柱が現れて、屋敷を取り囲む。
「なによ、アレは」
エレが驚いていると、ライラが言う。
《アレから、凄まじい魔力を感じるわ》
(そうなんだ。アレがミラ・ジュンの召喚獣のチカラなんだ)
暫くすると、水柱に燃えている移動屋敷が薄っすらと写った。
「燃えているな、移動屋敷が」
アックスがその様子を眺めて言う。
「はい、これで移動屋敷は燃え尽きるね」
ミラ・ジュンが呟くと、セイ・ケシトは訊ねる。
「だが、完全に燃え尽きないぞ」
「大丈夫よ。その為にメルカを呼んだのよ」
彼女は笑顔になる。
「どうゆうこと、あの召喚獣は、ウォタム・マーメイドでしょう、あの水柱を作っているのでしょう、あの水柱がなにかあるの」
エレ・ライラが訊ねると、ミラ・ジュンは答えた。
「あの水柱には聖なるチカラを秘めているの、だから、移動屋敷は跡形もなくなくなるよ」
「そうなのか、ソレは凄いな」
アックスは静かに言う。
そして、ミラ・ジュンの言うとおり、やがて、移動屋敷は燃え尽きた。
暫くすると、偉大なる炎達が戻ってくる。
「よく燃えたな、コレで気が済んだ」
「それなら、戻ってもいいのね」
ミラ・ジュンが訊ねると、偉大なる炎は頷いた。
「よろしく頼む、我の種族はグレン・レッカだ」
「わかったわ、戻れ、グレン・レッカよ」
ミラ・ジュンが声をかけて、移動屋敷から持ち出した魔法水晶を掲げると、彼はその水晶に向けて消えていく。
「あの召喚獣は戻って逝ったのね」
エレ・ライラが訊ねると、ミラ・ジュンは頷いた。
「そうだよ。本来の場所へ戻って云ったわ」
「そうか」
セイ・ケシトは頷く。
そうして、ミラ・ジュンは自分の召喚獣を同じ様に魔法水晶へ戻した。
「さて、これから、キミ達はどうする」
アックスがエレ・ライラ達の方を見る。
「そうですね、オレ達も、あの男の野望を叩き潰します」
セイ・ケシトが言うと、エレ・ライラも頷いた。
「わかった。無理はしないでね」
ミラ・ジュンは彼らの顔を真剣に見る。
「よし、行こう」
アックスも彼らを見た。
ミラ・ジュンも頷いて、魔王レガルタを封印されている洞窟へ向けて、歩きだすと、三人はその後へ続く。
『さあ、このワシを早く解放しろ、アイオリスよ。我が部下となるがいい、そうすれば、永遠の命を与えよう、そして、親子ともども、ワシの為に働くがよい』
闇の中から、再び不気味に響いた。




