縛られた召還獣
ミラ・ジュンと名乗る、女性が自分のマスターであるガルガスが口車に乗せて、仲間にしたツインズ・ハートの男女を説得する為になにか行動を起こすから、監視する様に命じられていた召喚獣は彼女が、その行動を起こしたので、倒そうとしたが、彼女に同行していた戦士が気がつき、攻撃を防ごうと行動する前に、ミラ・ジュンの懐から六つの魔法水晶が出てきて、光の膜を張った。
(バカな、召還獣を呼び出す魔法水晶が勝手に動くなんて)
その召還獣は疑問を感じながらも、光の膜に攻撃を続けたが、やがて、ミラ・ジュンが目を開けると、二人の男女も続けて目を開くと、先程と違ってカラダの魂が二つ共、輝きを取り戻している。
(仲を取り戻したのか、そんなバカな)
その召還獣は呆然と見つめた。
その時、ミラ・ジュンが周りを見て驚いていると、彼女と供にいた戦士が説明をしていて、彼女が魔法水晶に礼をのべる。
その時、魔法水晶の一つが、点滅すると、彼女は呟いた。
「そうなの、アレが炎の召喚獣なのね」
その言葉を受けて、その魔法水晶は再び点滅する。
その召還獣は、その魔法水晶から流れる声に聞き覚えがあったが、その考えを打ち消した。
「それじゃあ、みんな戻って」
彼女が手を上げると六つの魔法水晶がミラ・ジュンの手に戻って、彼女はその中の先程から点滅していた魔法水晶を掴んで叫ぶ。
「それじゃあ、頼んだね、来て、イフリーター・ガスト・イーナス」
すると、一体の炎の召還獣が現れて、光の膜が消えたので、ミラ・ジュン達を擲ろうとした彼の腕を掴んだ。
「そこまでだよ。偉大なる炎さんよ」
ミラ・ジュンにイーナスと呼ばれたその召還獣はニヤリと笑う。
「お前は、アッツイノか」
偉大なる炎と呼ばれた召還獣はイーナスと呼ばれた召還獣を睨んだ。
「その小娘が、お前のマスターなのか」
「そのとおりだよ。彼女達が、オレ達のマスターだよ」
その言葉に彼は眉を上に上げる。
「オレ達のマスターだと、そういうことはあいつらもいるのか」
「そのとおりだよ。偉大なる炎さんよ」
イーナスが笑った。
「イーナス、その人、知り合いなの」
ミラ・ジュンが訊ねると、イーナスは笑う。
「そのとおりだよ。姉ちゃん」
「姉ちゃんだと」
偉大なる炎はイーナスを愕然と見た。
「そうだよ。姉ちゃんだよ」
「だから、名前ありなのか」
偉大なる炎はかつて彼が言っていたある言葉を思い出す。
「そういえは、以前、そう言っていたな」
「そうゆうことだ」
イーナスは笑って、真面目な顔になった。
「偉大なる炎さんよ。此処は引いてくれないか」
「それは出来ない、マスターの命令は絶対だ」
偉大なる炎は苦しそうに言う。
「まさか、偉大なる炎さん、あなた、もしかして、束縛魔法をかけられているのですか」
ミラ・ジュンが彼を見て言った。
「束縛魔法だって、ソレって違法魔法の一つじゃあないか」
ミラ・ジュンに救われた男性が顔色を変える。
「あの人が、あの移動屋敷に縛られたのは、違法魔法と決められる前だよ」
ミラ・ジュンが現れている移動屋敷を見て静かに言った。
「さて、説明が済んだのなら、覚悟して貰う」
「イーナス、説得は無理そうなの」
ミラ・ジュンがイーナスに聞いたが、彼は首を振って、あることを思い出す。
「もしかしたら、あの屋敷にある水晶を破壊すれば、偉大なる炎を開放することができる筈だぜ」
「そうなのね、それをやってみるよ」
ミラが笑って、両手に魔力を溜めて弓矢を射るように構えた。
「姉ちゃん、なにをするつもりだい」
「偉大なる炎さんを開放する為に水晶を破壊するよ」
その言葉を聞いた偉大なる炎は驚く。
(そんなバカな、そんなのは無理だ)
その時、偉大なる炎のカラダが自分の意思とは関係なく動き、ミラ・ジュンに襲いかかろうとするが、その前に、イーナスが立って抑え込んだ。
「今だ、姉ちゃん」
「わかった。いけぇ、マジックアロー」
ミラ・ジュンが叫んで魔力を含んだ矢を放つ。
すると、暫くすると、屋敷の方から何かが砕ける音がした。
「これは、もしかして」
偉大なる炎は暫く、呟いていると、やがて、大声を上げる。
「あの男め、よくもこの私を千年以上を縛りつけて」
その後、彼は罵詈雑言を叫び続けた。
「あの、偉大なる炎さん、あの男って、ガルガスのことですか」
ミラ・ジュンが訊ねると、偉大なる炎は頷く。
「そうだとも、あの男は卑怯きわまれない方でわたしを束縛魔法で無理やりに契約を刺せたのだよ」
「あんたが気がつかないようにしていたのかよ」
イーナスが偉大なる炎を見つめた。




