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ボクは魔導師、姉は剣士、一つのカラダを共有しています  作者: ゆたか
二つココロの魔導剣士
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ダレスの本

 タケトはミラ・ジュンを見つめて、バックから一冊の本を取り出した。

「ダレスから自分になにかあったら、キミにコレを渡してくれって頼まれていたのだよ」

「これは、ダレス先輩の手書きの本」

 ミラ・ジュンは驚いて、その本を見る。

「はい、ダレスはオレと別れる前後にまるで別人格に支配されているみたいな時があったが、普段の時にオレにコレを託しで姿を消したので、ダレスの願いの為にキミを探していたのだよ」

「そうですか、もしかして、コレには」

 ミラ・ジュンはその本を受け取った。

「そうだと思う、完全に乗っ取られる前に、キミへのメッセージが書かれていると思う」

 タケトはそう言って、悲しそうに笑う。

「タケト先輩、もしかして」

「悪い、見てしまったよ。ダレスがツインズ・ハートで、兄弟に封印されてしまったなんて」

 彼は深々と頭を下げた。

「タケト先輩」

 ミラ・ジュンは彼を静かに見つめる。

「すまない、オレのやることは、終わった。じゃあな、ミラ・ジュン」

 タケトは頭を伏せて、その場から去って行った。

「はい、タケト先輩もお元気で」

 彼女はタケトを見送り、教会へと戻り、ダレスの本を開いた。そこには徐々にガルガスにカラダを乗っ取られていく様子が書かれてあり、その目的が魔王レガルタの強大な魔力を自分のモノにすると書かれていた。

《ミラ、あなたの言うとおりだったわね》

ジュンは悲しく呟く。

(そうだね)

 と、ミラは言う。これを残しているのなら、誰かに相談してくれたらよかったのにとミラは思った。

《でも、あの男の目的がコレなら、大変なことになるわ》

(そのとおりね)

 ミラとジュンが話し合っていると、アックスがやってきた。

「どうしたのだい、ミラ・ジュン」

「アックスさん、なんでもないよ」

 ミラは誤魔化そうとするが、アックスは彼女がでにしている本に目にする。

「その本は」

「これは、ダレス先輩がガルガスに完全にカラダを奪われる前に、書き残したモノなの」

 ミラ・ジュンがダレスの本を見せた。

「あのガルガスに乗っ取られる前に残しただって」

 アックスが驚いていると、彼はあることに気がつく。

「まさか、それにはガルガスの目的も書かれているのか」

「はい、そのとおりです。ガルガスの目的は魔王レガルタの魔力を手に入れることです」

アックスの問にミラが答えた。

「それは、可能なのか」

 アックスが驚きながら訊ねると、彼女は首を捻る。

「わからない、もし、手に入れることができても、それをコントロールすることができるかどうか」

「そうなのか、魔力のコントロールは誰にだってできる筈だろ」

 アックスは唸ってしまった。

「そう、それが自分の魔力ならね、でも、外部から取り入れた魔力は難しいと聞いているわ」

 ミラが静かに言う。

「だが、肝心の魔王レガルタの封印されている場所がわからないから、奴の目的は果たせないな」

 アックスがそう居うと、ミラ・ジュンは悲しそうに首を横に振った。

「ガルガスはもう、その場所を掴んでいるの」

「なんだって」

 彼は驚いてしまう。

「そのことは、ダレス先輩の本に書かれているの」

 ミラ・ジュンは頭を俯いて言った。

「そういえば、キミタチは魔王レガルタの封印されている場所を探しいたよたね」

 アックスがそう言うと、ミラ・ジュンは悔しそうに、頷く。

「そうだよ。でも、ガルガスに先を越されたみたいね」

「そうだな、だが、俺達には、その場所はわからない」

 アックスも悔しそうに言った。

「でも、そうでもないよ。ダレス先輩はその場所を示してくれた」

 ミラ・ジュンはダレスの本を彼に見せる。

「それには、ガルガスの目的だけではなく、キミタチが探していたレガルタが封印されている場所が書かれているのか」

「はい、そのとおりです」

 アックスの問に彼女は答えた。

「そうか、それなら、そこへ向かって、あいつの野望を防ごう」

 アックスはミラ・ジュンをうながした。しかし、彼女は少しうかない顔をする。

「どうしたのだ。ミラ・ジュン」

《ミラ、これしか、ダレスの魂を救う手はないよ》

ジュンの言葉にミラは決意をかためた。

「それしか方法はないようね」

 彼女は決意をかためた顔になる。

「やっぱり、少し辛いのか」

 アックスは少し悲しそうにミラ・ジュンを見た。

「そうでもしないと、ダレス先輩の魂を救えないと思うから」

 ミラ・ジュンはダレスの本を握り締める。

「それで、レガルタの封印された場所は」

「その場所は」

 ミラ・ジュンは周りを見回して、誰もいないことを確認して、アックスに耳打ちをした。

「そんな場所にあったのか」

 その場所を聞いたアックスは驚く。

「そう、まさか、あんな場所に封印されているなんて」

 ミラ・ジュンも驚いていた。

「話はすんだ様ですね」

 けはいを消して陰に隠れていたメルメが彼女らの話が終わったので声をかける。

「メルメさん」

「ごめんなさい、聞くつもりはなかったけどだ、それに、私達があの時、レガルタをちゃんとたおせていたら、あなた達に迷惑をかけなくてもよかったのに」

 メルメはミラ・ジュン達に頭を下げる。

「メルメさん、それは仕方がないことだと思います。レガルタはアイオリス様を封じ込めようと五重結界の魔法を放ったがそれを弾き返し、その五重結界にレガルタを封じた。けど、その五重結界をレガルタが突破して、すぐに行動できない様にその場所にも結界を張ったそうではないですか」

「でも」

 メルメは俯いてしまった。

「ちょっといいですか、あの時はそれで仕方がなかったのではないですか」

 アックスは言う。

「それは違う、問題を先送りしただけで」

 メリメが言ったが、ミラ・ジュンは言った。

「何重にも結界を張って、レガルタがもし五重結界を突破してもすぐに活動できない様にしているのでしょう」

「でも」

 メリメが迷った声をだす。

「やるべきことをやって最後の手段で行ったのでしょう、それならそれが、その時は最良の手段だったのではなかったのでしょう」

 ミラ・ジュンの言葉にメリメは頷いた。

「たしかに」

「ボク達はそろそろ行きます」

 ミラ・ジュンは彼女に頭を下げる。

「そうなの、最後にみんなに挨拶をしてね」

「はい」

 ミラ・ジュンとアックスは頷いて、子供達に別れを告げて、教会から旅出した。


 闇の中で男が、笑い出す。

『アイオリスよ。そうして、お前達一族は、我の手下として、我の世界征服の手伝いをして貰うことにしよう、それがいい』


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