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ボクは魔導師、姉は剣士、一つのカラダを共有しています  作者: ゆたか
二つココロの魔導剣士
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教会での朝

 ミラ・ジュンは起床して炊事場に立って、朝食の準備をしていた。

「あ、おはよう、早いのね」

 メルメが炊事場へ入ってきて、驚いていると、彼女は笑う。

「お客様じゃあないからね」

「それはそうね」

 メルメは笑って、手伝いを始めた。


 やがて、食事のニオイで子供達が起きてくる。

「あ、ミラ・ジュンさん」

「みんな、おはよう」

 起きてきた子供達にミラ・ジュンが声をかけた。

「おはようございます。メルメさん、ミラ・ジュンお姉さん」

「あ、ところで、アックスさんを誰か、見かけなかった」 

 ミラ・ジュンは周りを見て、子供達に訊ねる。

「そういえば、アックスさんは朝一番に鍛錬するって言っていたよ」

 男の子達が言った。

「そうなの、そろそろ、でき上がるから、呼んできます」

「そうね」

 ミラ・ジュンの言葉に、メルメは笑う。


 ミラ・ジュンが外へ出ると、井戸の傍にアックスが上半身を裸にしてカラダを拭いていた。

「あ」

 其の様子を見ていたミラの心臓の鼓動が少し早くなる。

《どうしたの、ミラ》

(あ、あの……)

 ミラはジュンの言葉に慌てた。

《何よ。男の上半身の裸ぐらい、兄貴で、慣れているでしょう)

(それはそうだけど、でも、アックスさんは高貴すぎるから)

 ジュンもなんとなくわかる気がしたので、変わることにする。

《今のあなたじゃあ、無理ね、私が変わってはなしするけど、あなたが連れて行きなさいね》

(お願い、姉さん)

 ジュンはカラダのコントロールをミラから変わって、アックスに近づいた。

「アックス、朝食だよ」

 アックスは少し驚いて、振り向いた。それは、近づく前はミラの気配を感じていたが、今、感じているのはジュンだったから。

「今はジュンなのか」

「そうよ。私よ」

 ジュンはアックスを睨んだ。

「朝食だろ、すぐ行く」

「わかったわ、でも」

 ジュンが言いかけると、アックスは苦笑する。

「ちゃんと服を着てからだろう、は…、母さんに言われているから」

 ジュンはアックスにたいして、不思議な顔をした。

「どうしたのだい、ジュン、俺の顔に何かついているのかい」

「何もついてはいない」

 ジュンは少し焦ってしまう。

 それを見たアックスは笑いながら服を着た。

「じゃあ、行こうか」

「それじゃあ、ミラと変わるわ」

 ジュンはミラにカラダのコントロールを返す。

「姉さん、ずるい」

 ミラは思わず声を出していた。

《ずるくない、最初から言っていたでしょう》

「ミラなのか」

 アックスが訊ねると、ミラはほほを紅くして頷く。

「ミラ、顔が少し赤いぞ」

 アックスが近づこうとすると、ミラは何故か後ずさりをした。

「なんでもない、みんなが待っでいるから急いで戻りましょう」

 ミラは教会の方を向いて歩き始め、アックスにばれない様に息を吐く。

《何をやっているのよ。ミラ》

(ごめん、姉さん)

 二人が話し合いをいると、アックスが訊ねた。

「本当に大丈夫なのか、ミラ・ジュン」

 ミラはジュンとの話しで落ち着いたのか、彼女は笑う。

「大丈夫よ。なんでもない」

「そうか、みんなが待っている野だろ、早く戻ろう」

 ミラ・ジュン達が食堂に入ると子供達が待っていた。

「ごめん、おまたせ」

「早く、早く、食べようよ」

 子供達が急かすと、メルメが注意をする。

「まずは、感謝の祈りからでしょう」

「はい」

 子供達は返事をして祈りした。

「いただきます」

 子供達は元気よく食べ始める。

「昨日の良かったけど、今日のもおいしいよ」

「ありがとう」

 ミラ・ジュンが笑顔になると、子供達も笑顔になった。

 食事をすませて片付けが終わり、ミラとジュンは昨夜のことを考え始める。

《ミラ、ダレスが言っていたことは、本当なのかしら》

(たぶん、間違いないと思う)

 ジュンの問いにミラは答えた。

《どうして、そう思うの》

 ジュンはあの時ことを思い出した。ミラはガルガスの真の目的を言い当てたことを。

《ミラ、どうして、あなたはガルガスの目的を言い当てたの》

(それは、先輩に付いていたガルガスの残留思念があったからだよ)

 ミラがそう言うと、ジュンは驚いた。

《私にはわからなかった》

(ごめんなさい、そのことを言えば先輩はたぶん殺されてしまったかもしれないから)

 ミラは悲しそうな顔を見たジュンはなにも言えなくなる。

 その時、一人の子供が、ミラ・ジュンを呼んだ。

「お姉ちゃん、お姉ちゃんを訪ねてきた人がいるよ」

「誰なの」

 ミラ・ジュンが訊ねると、子供が答える。

「お姉ちゃんと同じ格好をしているよ」

「ボクと同じ格好、会ってみるわ、案内してくれない」

 ミラ・ジュンがその子供に頼んだ。

「うん、わかった」

 子供の案内でその人物の元へ向う。

「ミラ・ジュン、やっと会えました」

「タケト先輩、どうしたのですか」

 そのタケトと呼ばれた人物は彼女が通っていた魔道学校の先輩でダレスとは学友でミラ・ジュンとダレスがいた部活の仲間である。

「ミラ・ジュン、よかった。キミに会えて」

「どうして、ボクを探していたの」

 彼女は不思議そうに首を捻った。

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