ジュンの顔 ガルガスの顔
ミラはふと目を開けると、周りは霧に包まれていた。
「此処は」
「どうやら、夢の中みたいね」
後ろから女声がしたので、彼女が振り返ると、自分とよく似て、少し違う顔をしているの女性が立すっている。
「姉さんが、居るってことは、姉さんの言うすとおり、夢の中なのね」
「たぶんね、気がついたら此処にいたの」
ジュンも周りを見ながら答えた。
「やっと、会えた。二人共、元気だったか」
急に声がかかったので、二人は驚いて声がした方を見ると、そこには、ダレスが立っていた。
「先輩」
ミラが彼に近づこうとすると、ジュンがそれを阻む。
「ダメよ。ミラ」
「大丈夫よ。姉さん」
ミラは笑って、ダレスの傍に向かって歩き出したので、ジュンは彼女を護る為にその後に続いた。
「やぁ、ミラ、それにジュン」
ダレスは笑って、二人を迎え入れる。
「先輩、ガルガスから、抜け出したのですか」
ミラが訊ねた。
「あぁ,そうだよ。あいつから、抜け出して来たよ」
ダレスは疲れた顔になる。
「かなり、魔力を使ったみたいですね」
ミラは心配そうに見つめた。
「そうだな、どうやら、かなりの魔力を失った様だな」
彼は苦笑した。
「どうやら、あなたは本当のダレスみたいね」
ジュンはとりあえず胸をなで下ろす。
「あいつと思っていたのか」
「そうよ」
ダレスの問にジュンは苦笑して答えた。
「安心してくれ、あいつの姿はいしの世界では、オレとは違う顔をしている」
「よかった。先輩の魂が消えてなくて」
ミラが喜んだ。その様子を見たダレスは言う。
「そうだね、キミ達に伝えることがあったので此処まで来たのだよ。あいつの本当の目的は」
ジュンはそのことをわかっている様に言った。
「違う、あいつの真の目的は魔王レガルタの魔力を自分のモノにすること」
ミラはダレスの方を静かに見つめる。
「そのとおりだよ。ミラ」
ダレスは悲しそうに笑った。
「ミラ、どうゆうことなの、あいつの目的が魔王レガルタの魔力なんて」
その時、不気味な気配とともに一人の男性が現れる。
「よくわかったな、ミラ」
「ガルガス」
ダレスが思わず叫んだ。
「誰なの」
ジュンはその顔を見て頭を捻る。
「あいつが、ガルガスよ」
ミラがジュンに教えると、彼女は目を大きく開いた。
「ウソでしょう、だって、顔がダレスと違う」
「よくわかったね、ミラ、そこがそこにいる寄生虫との違いだよ」
その男性、ガルガスが笑う。
「やっぱり思ったとおり、昔のその顔を気に入っているのね」
「そのとおりだよ。ミラ」
ミラの言葉にガルガスは大笑いをした。その顔を見てジュンは思い出した。その顔はガルシアの肖像画にそっくりであることを。
「どうして、ワシの目的がわかったのだ。ミラ」
ガルガスが訊ねたので、ミラは静かに笑った。
「あなたは、強いチカラを欲している」
「そのとおりだ。ミラ、強いチカラこそ、この世界を治めるのに必要だからね」
ガルガスは大笑いをする。
「それは、違うと思うわ」
ミラは彼を悲しそうに見た。
「愚かだな、ミラ」
「愚かじゃあない、愚かなのはあなただ。ガルガス」
ダレスはガルガスを睨む。
「寄生虫のくせになにを言っている」
ガルガスは睨み返すと、ダレスは言った。
「あなたが言う、寄生虫なんていない」
「それはちがう、あのカラダはワシのモノだ」
ガルガスは訴える。
「それなら、どうして、その顔を選んでいるの」
ミラがガルガスに訊ねた。
「それは、この顔がワシ、ガルガスの顔だからだ」
彼はそれが当然の様に言う。
「それなら、どうして、魔法で顔を変えないの」
ジュンがガルガスを睨んだ。
「そんな、魔法は存在しない」
「え?」
ガルガスはミラとジュンを言う、その言葉にジュンは驚く。
「たしか、その魔法は存在しない」
「ウソでしょう、ミラ」
ジュンはミラの言葉にさらに驚いて、彼女を見た。
「そんな魔法が在れば、お母さんは自分の姿やワタシタチの姿を変えていたと思うよ」
ジュンはミラのその言葉に納得する。
「何故、そんなことで納得する」
ガルガスはミラを睨んだ。
「そんなのは、あなたには関係のないことです。それよりも、ガルガス、魔王のチカラは危険なチカラだよ。求めてはダメだよ」
ミラの言葉にガルガスは笑い出す。
「そのくらい、制御してみせる」
「できる筈はない、魔王のチカラは強大だから」
ダレスは訴えるが、ガルガスは鼻で笑い出した。
「ワシとて、あの当時は金の称号を持っていたのだ。そのくらい制御してみせる」
「そんなに簡単に制御できる筈はないわ」
ミラはガルガスを睨む。
「できるさ、ワシがそのチカラを手に入れた時、お前を膝まづかせてやる覚悟しろミラ、さあ、来るのだ。ダレスよ」
ガルガスはダレスの腕を掴んで姿を消した。
「先輩」
ミラは思わず手を伸ばす。
「ダメよ。ミラ」
ジュンが止めさせた。
ミラが泣き出す。
「先輩を助けることができなかった」
「私だって、ダレスを救いたっかたよ。でも、できなかった」
ジュンも言葉をつまらせた。
「姉さん」
ミラはジュンの顔を見る。
「そろそろ,朝だ」
ジュンが静かに呟いた。
「そうだね」
ミラは俯いて呟く。
「さぁ、目を覚ますよ。ミラ」
ジュンは目を覚ます準備を始めた。
「わかったわ、姉さん」
ミラは目を閉じて暫くして目を覚ますと、朝になっている。
「先輩」
ミラは悲しみのあまり涙を流した。




