予言書とある依頼
ガルガスの名を聞いた数人の所員は室長に言った。
「ガルガスって言いますと、あの」
所員は震えながら言う。
「そうだ。あの予言書に書かれている一つが現実になった様だ」
室長が静かに言った。
「ガルガスが復活するって予言されていったて」
ミラ・ジュンは驚いていると、室長はあらためて、彼女を見る。
「ミラ・ジュン、もしかして、今、あなたは、ガルガスを追いかけているのにですか」
「そうです。それと、あの魂封じの魔法と移動屋敷も復活しました」
ミラ・ジュンの言葉に室長は静かにため息をついた。
「やはり、あの予言書は正しかった」
「すいませんが、先程からいわれている予言書ってなにですか?」
ミラ・ジュンが訊ねると、室長は彼女を見つめて言う。
「ミラ・ジュン、あなたは、イルサって名前をご存知ですか?」
「確か、ガルガスの双子の兄弟だった人ですね」
彼女がそう言った。
「そのとおりです。その彼がガルガスの復活を予言していたのです」
「そんなことが、できるのかい」
話し合っていた彼らに、アックスが訊ねる。
「あ、アックスさん、はい、転生の魔法を使えば可能です」
「そうなのか」
アックスが唸っていると、室長が訊ねた。
「ミラ・ジュン、その人はどなたですか」
「あ、この人は、アックス・リバートで、ワタシタチの命の恩人です」
ミラ・ジュンが笑う。
「そうですか、ミラ・ジュン、ガルガスをこのまま追いかけるのですか?」
「そうですけど」
彼女は答える。
「危険です。あなたがあの者に捕まれば」
室長は慌ててミラ・ジュンに忠告をした。
「どのみち、あの男の目的の一つがワタクシを手に入れることだから、逃げることはできないよ」
「たしかに」
ミラ・ジュンの言葉に室長は頷く。
「それに、ワタクシには、あの魔法を封じなくてはいけない使命があります」
「わかりました。それでは」
室長は所員を呼び出した。
「室長、どうしたのですか」
「すぐに携帯食とこの辺りの地図を用意してくれ」
「はい、わかりました」
所員は返事をして事務所の室内へ入って行く。
「すいません、でも、携帯食はありますので」
「いえ、いずれ必要となると思います」
室長は所員が持ってきた地図と携帯食を、彼女に渡した。
「わかりました。本当にすいません」
ミラ・ジュンが頭を下げていると、室長は彼女に耳打ちをする。
「ところで、ミラ・ジュン、あなたは、トーガとゆう男をご存知ですか」
「いえ、その人がなにを、したのですか」
彼女が訊ねると、室長はさらに声をひそめた。
「その男は、本来はスカウトの資格がないのに、素質がある者を自分の手元に置いて、スカウトの資格がある者に高値の仲介料で手渡しているそうだ」
「それって」
ミラ・ジュンは呆然となる。
「あぁ、許されないことだ」
室長は渋い顔をした。
「それで、その人をどうするのですか?」
「見かけたら、捕まえて下さい」
室長は頭を下げる。
「室長さん、止めて下さい、ワタクシはそんなに偉くはありませんから」
ミラ・ジュンは慌てた。それに対して、室長は笑った。
「会った場合ですよ」
「わかりました。会った場合ですね」
ミラ・ジュンはそう言って、アックスとともに事務所から出て行く。
「室長、いいのですか、あの娘にあのことを頼むなんて」
所員の一人が室長に言っていると、別の所員があることを思い出した。
「あ、あのミラ・ジュンといったら」
「そういうことだ」
室長は笑う。
「そんな、あの娘が」
その所員は驚いて、それ以上なにも言えなかった。




