My Hellen! 【WEB】
My Hellen!
壱つの、穏やかに荒れ狂う大海原。
何の酒だったのか……? 知らないが、コルクの栓が打ち込まれた空き瓶が壱本。
ぷかりピカリぷかりピカリと、波に呑まれ浮き沈みを繰り返しながら……ミレニアムを謳歌していた。
乱射されたマシンガンの薬莢の様に無數に轉がる、様々な色の酒瓶が折り重なあい。
残酒をだらし無く垂らしていた。
店は既にクロ〜ズされ、宴の主達ちは其々の時代へと去っていった。
この店には、人気の踊り子がいた。
飛びつく様な美人では無いものの、人懐っこい笑顔とキュ〜トな正確が客に足を運ばせた。
橋の上。コルクを打ち込まれた酒瓶の取り合いする酔に酔いまくった男達ちがいた。
俺のHellen! ふん! 俺に決まってるだろ! 次第に喧嘩へと、拳と拳の対話が繰り返されていた。
ドボン!
お〜っ! My hellen……?
この瓶の中にさ! あたしの意中の人へ書いた、手紙を入れたからさ……そんなに知りたきゃ拳で勝ち取りな!
それを持って来りゃあさ! 情熱〜いキッスを、プレゼントするわよ!
穏やかに荒れ狂う、大海原を彷徨う酒瓶壱つ!
中には、my Hellenと書かれ、縦ロ〜ルに細く丸められた店のチラシと、行き場の無いMy Herllnの魂が、神様の罪と罰としてミレニアムを謳歌していた……。
何処かの誰かさんに拾って、打ち込まれたコルクの栓を開けて開放してもらうまでの本の壱時の物語。