表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/60

必要悪

 戦争と言うものが必要悪である以上、そこに携わる兵器もまた同様に必要悪であると言える。つまり、零戦もそうした流れの中で生じた必要悪なのである。

 必要悪とは読んで字の如く必要な悪いものである。世の中には、こうした必要悪が存在する事は承知の通りで善きものばかりで世の中は回っている訳では無い。

 戦争を防ぐ術を人間が持たない以上、兵器開発は必要悪になってしまう。例え何万人、何百万人を殺す事の出来る兵器であっても、である。

 正当防衛と言う概念があるが、国家防衛における"それ"は、兵器を開発し運用する事にある。軍事力の強化は、その延長線上にあり、本来ならば制限されるべきものではない。軍拡の流れが日本人は鈍いと言うだけの事であり、軍縮をすれば平和に成ると考える事は浅はかである。

 第二次世界大戦の時の世界の流れは、まず間違いなく軍拡の過渡期であり、その流れは東西冷戦終結まで続いていく事になる。人間は戦争=悪であると考えているが、そんなものは性善説に過ぎない。戦争=悪なのではなく、人間の本質=悪なのである。だから戦争=必要悪と言う図式が成立するし、兵器も必要悪であると言えるのだ。

 零戦もそんな必要悪の一つでしかなかった。稀代の名機も時代の寵児であり、必要悪でしかない。そんな事を言う人間は希少種かもしれない。結局、核兵器も零戦も同質のものなのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ