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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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航空自衛隊のパイロット

 海軍で零戦乗りだった空里を、戦後に発足した航空自衛隊が放って置く筈が無かった。人手不足かつ旧海軍出身の下士官・兵隊の人材が足りず、発足当時の自衛隊の戦力は、心もとないものになっていた。

 アメリカナイズされた日本初の空軍たる航空自衛隊は、最新の戦闘機やヘリコプター等も用いて領空を守るのが仕事である。輸送機やヘリコプターを用いて行く事になるが、それはまだもう少し後の事である。

 陸海空3自衛隊の中で最も人員が少なく、歴史も浅い航空自衛隊は、空里の様な旧海軍出身の下士官や将兵によって、形づくられたと言える。

 空里が配置されたのは、勿論戦闘機のパイロットである。旧軍での経験が豊富な人材は、養成期間も新兵に比べて少なくて済む。案の定空里も直ぐに米国製の戦闘機に慣れた。プロペラ機による練習であったが、後に配備されるジェット戦闘機にも繋がる訓練であり、構造は同じであった。

 戦争状態にはない日本での領空警備は、空里にとってみれば、平時のお遊び程度の認識であったと言える。空里は帝国海軍を軍曹で除隊していたため、航空自衛隊での階級は同等の二等空曹であった。だが、彼にとって階級はさしたる懸念事項では無かった。また、大空を駆け巡る機会が戻って来た。それだけで充分であった、と思っていた。

 戦争状態には無かったものの、空の上では油断をすれば、死を招く事は承知していた。油断大敵とは、良く言ったものである。

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