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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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南方戦線

 日本が戦争をしていたのは太平洋の島々や日本近海だけではない。南方(現在の東南アジアや南アジア)でも日本軍は戦っていた。一説によれば日本軍は戦線を拡大し過ぎた事により、補給が間に合わず敗北の要因となったとも言われている。

 だが、日本軍が何の目的も無しに南方まで戦線を拡大していた訳では無い。結局日本の防衛を考えるのならば、アジア全域をカバーしなくてはならないのであるが、そこまでの軍事力は日本にはなかった。とは言え欧米列強に支配されていたアジア各地の当時のアジア情勢を考えれば、当然の策と言えた。また、南方を始めとしたタイを除くアジア全域は防衛力が低く、アジア解放の目的で大東亜戦争を戦っていた。

 と言う側面はあるが、日本のアジア解放のやり方は少し強引過ぎたのかもしれない。アジア解放は達成されたが、果たして日本に感謝している国がどのくらいあるだろうか?

 終戦を期に日本は全ての外地から撤退。その間にアジア・アフリカ地域では、独立を宣言する国が相次いだ。その先駆けとなったのが、大東亜戦争である事は疑い用の無い事実である。日本はアジア全域を植民地化するつもりはなく、列強の真似事をしようとしていた訳では無い。

 それは、日本人が流した汗と血を見れば直ぐに分かる。南方まで戦線を拡大せざるを得なかった当時の国際情勢を無視する事は出来ないだろう。勿論、この南方でも零戦は活躍していた事は言うまでもない。

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