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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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各国の名機

 第二次世界大戦においては、日本の零戦以外にも多数の名機が世界の大空を舞った。英国のスピットファイアやドイツのメッサーシュミットや米国のグラマンF4FやF6Fやカーチスホークや英国の、グロスター・クラジエイターと言う戦略爆撃機も多く登場した。

 イタリアのフィアット複葉機やブレダ等も名機である。ソ連のイ15、16等も名機と言える。フランスのデボアチーヌ510戦闘機や、G38ユンカースもかなりの性能があったと言える。

 各国の特徴がよく現れている機体が多かったが列強としてのステータスとも言えた。この頃はまだ独立空軍を持つ国は少なく、それでも航空機の性能が戦争の勝敗に直接影響する様になっていたことは紛れもない事実である。

 無論、パイロットの技術も必要不可欠である。いくら名刀を持っていても、使う兵士が技足らずでは名刀の切れ味も鈍る。これだけの名機等に日本の零戦が交じっても零戦のスペックは郡を抜いていた。確かに弱点はあったかもしれないが、それを補って余りある一つ一つ個々の能力はハイレベルなものであり、零戦に対抗できる航空機自体は少なかったと言える。

 だが、大戦後半期米国は、研究に研究を重ねて何とか零戦を上回る機体を開発する事に成功した。零戦に手こずっていただけに、これ等の機体は救世主となっていた。日本と米国の技術力の差は歴然としていたのであるが、それでも国力の差以上に、零戦は奮戦した。

 欧米列強に勝るとも劣らない航空機を生み出す事が出来たのは、大きな自信になった。勿論、日本一国が総合的に世界の中で図抜けていたと言う事では無い。

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