テストパイロットと航空兵の違い
テストパイロットと航空兵では全く異なる存在である。似て非なるものであるが、その違いはあまりよく知られていない。
テストパイロットは、主に開発途上であったり、納入後の航空機に乗り、性能を試すのが仕事である。
一方で航空兵は、テストパイロットが乗ってOKサインが出た航空機を使い、戦闘任務を行うのが仕事である。
航空兵の方も危険だがテストパイロットも同じ位リスクはある。とは言え、テストパイロットは海軍の正規兵ではなく、それぞれの企業の社員である。テストパイロットが戦場に出る事はなく、体を張るのは航空兵の方である。当時は日本に空軍と言う組織は無く、陸軍と海軍にそれぞれの航空部隊が独立してあった。そこに航空兵は所属していた。
所属先により要求されてくるスキルも異なる。航空兵には、純粋な戦闘スキルが要求されてくるのに対して、テストパイロットには、航空機の性能をチェックするスキルがあれば良い。
敵を倒すと言う共通の目的は同じくも、それぞれの求められるスキルは全く異なる。いずれにせよ、両者とも戦争遂行の為には欠かす事の出来ない存在であった。
ただ、歴史の表舞台で華々しく散って行ったのは航空兵の方であった。日本人で神風特攻隊を知らぬ者はモグリだが、零戦と言う戦闘機を知らぬ者もモグリである。テストパイロットは、神風特攻隊の使用した零戦のほとんどの性能をチェックしており、歴史の表舞台には立てなかったが、それでも、日本陸海軍航空隊はテストパイロットに支えられていた。そう言っても過言ではないだろう。




