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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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全機撃墜

 前項でも述べたが、零戦の"デビュー戦"は凄まじいものであった。中国軍機がいかに旧式だったとは言え、出撃した全機を一機の損害もなく撃ち落としたのだから、世界の空戦史に残る圧勝劇であったと言える。

 結局は戦争初期こその零戦の活躍ではあったが、中国戦線は零戦の登場で戦況は泥沼化の一途を辿る。肝心の陸軍力において、ひがのさが少なかった事が原因であった。

 いずれにせよ、中国戦線での活躍が無ければ、真珠湾攻撃も歴史に残らなかっただろう。つまり日本軍は全く別の兵器や戦闘機が、全く史実とは異なる作戦を展開していた事は、容易に想像出来る。

 だが、日本軍にとってはその利点よりも、戦争が長引く事による長期の財政負担にいつまで耐えられるかと言う政治・経済的な体力も不安要素になりつつあった。歴史の判断と言うモノは、容易ならざるモノがあるのだが、それでも、対米戦争を本気で戦う覚悟はあった。負けるか勝つかは別にして。

 だとしたならば、満州を含む中国戦線からの撤退はマストであろう。北方ソ連の脅威は変わらずも、その後のシベリア抑留は避けられたはずである。流石にそれだけの大英断を出来るだけの軍人や政治家はいなかったが、陸軍の暴走による中国戦線の拡大で、自らの首を絞める事も無かっただろう。

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