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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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GOLF

 飛行場でゴルフはNGなのだが、気分転換の為にやる人は多かった。パイロットに限らず、この業界は時間の制約が多く、ストレスも溜まるものであった。

 中にはゴルフクラブを自分で用意する物好きも多かった。当時はゴルフは上流階級のスポーツであり、金持ちの道楽に過ぎなかった。ゴルフって何?と言う庶民も少なくなかった。

 広い敷地があれば充分にプレイ可能である。飛行場の様な広い敷地は、これ以上無い好条件の場所であったと言える。

 ゴルフの上手い下手はあまり関係なく、気分転換の為にプレイする人間が多かった。とは言え、それなりの数をこなせば、嫌でも上達する。ゴルフが上達したところで、何の得にもならないが、彼等はゴルフを道楽と思って楽しんでいた。だから、時間が直ぐに過ぎていくゴルフは持ってこいであった。

 飛行機の製作過程において、そこにかかる工員のストレスは、尋常ならざるものがある。細かい計算に加えて、手書きの設計図は何度も何度も書き直し。小さなミスも許されない。そうした環境下でストレス解消方法はいくらでもあったが、昭和初期の時代を生きた彼等には、ゴルフを新鮮であったのだろう。

 飛行機乗りや工員達は海軍軍人に似て、ハイカラな気質があったのかもしれない。地面に穴を空けてゴルフクラブを用意し、ポールさえ立てればもうゴルフは出来る。そうした手軽さも好評な要因だったのかもしれない。

 戦争前の設計であった零戦だからこそ、こうした余暇の過ごし方が出来たのかもしれない。本土空襲が始まってからはゴルフも出来なくなった。

 

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