モックアップ
強度計算や機体の形状を決める前に、設計図が出来た段階で、ひとまずモックアップを作る。まずそこから始まる。
モックアップとは実物大型模型の事であり、この時代においては、木材で作られる事が多かった。模型がどうした?と思われるかもしれないが、このモックアップは意外に重要な作業工程なのである。
モックアップを作る目的はただひとつ。設計した航空機が形に成るのか?と言う事である。いくら設計で苦労しても、モックアップさえ作れなければ、又は無理が少しでもあれば、その設計図は書き直しである。
最も、モックアップを作れないと言う様な状況はあまり無いかもしれないが、それでもこれから作る航空機のモックアップを木材で作る事には、それなりの意味がある。例えば、設計上のミスは無くても、形にすると現れる小さな綻びやミスがあると言う場合もある。
設計図はこのモックアップがスムーズに作られてOKが出なければ、確定にはならない。一度確定してしまった設計図は、書き直せない。つまり、ミスや失敗が判明しても、手直しは出来ないと言う事である。
モックアップは設計図を確定させる為の最終工程とも言える。だがモックアップが上手く行ったからと言って、安心は出来ない。設計図に完璧と言う物は無く、いくらでも修正点は見つかるのである。それらを例えクリア(妥協)しても、それで終わりではない。航空機製作にパーフェクトは存在しないからである。




