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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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手動計算器

 航空機を整作するにあたって、膨大な量の計算を行わなければならないのだが、当時はPCや電卓はない。その為、気の遠くなるような強度計算をする必要があった。

 その時に用いられたのが手動でガラガラ回す手動計算器であった。とにかく地味で退屈な仕事の連続であったが、これを行わなければ航空機は完成しない。机上の計算とは良く言ったものであるが、航空機製作の場合は、この計算作業が大切なのであった。

 現代においては、文明の利器のおかげでその苦労も無くなったが、それでもきちんとした計算が出来て初めて立派な航空機が出来る、アナログな時代だからこそ、新しい機種が完成した暁には喜びや達成感がある。

 問題はいつの時代も納期であるから、いつまでもノロノロと計算している訳には行かないのである。だからといって、一つでも計算ミスをする訳にはいかない。正確性とスピードを兼ね備えた計算力が航空機技師には必要である。

 零戦も、その計算の賜物であった。あれだけの緻密な航空機であるから、数学力より計算力が必要不可欠であった。これは誰にでも出来る事ではない。電卓もPCも無い時代。手動計算器は大車輪の活躍をした。歴史に残る名機は手動計算器が難儀を重ねて作業を必死にやった事によるものと推測できる。

 最も、地味な作業は日本人のお家芸とも言える。だが、良く考えてみれば、米国も英国も、ドイツにソ連もデジタル化時代の道具は全く無かった訳であるから、それは凄い事である。

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