9試計画
零戦を語るならば、9試計画の事をはずす訳にはいかない。9試計画とは、正式名称昭和9年度海軍用飛行機試作計画の事である。
航空機を作るには、モデルとなる試作機の存在が不可欠である。試作機ならばいくらでもミスは出来る。実戦配備されてからでは修正が効かない。だからこそ、試作機の存在を侮る事は出来ない。
後の零戦となる試作機は9試計画で作られた機体である。零戦の存在はあまりに有名だが、この9試計画はほとんど認知されていない。いくつもの修正を重ねて海軍と製作サイドのあらゆる条件をクリアして、初めて実戦配備となる。
ネジ1本の重さにまでこだわっていたから、尚更時間を擁した。良い航空機を作るには、まず良い試作機を作る事である。海軍としても、まさかあの9試艦戦が零戦として米英相手に大活躍するとは思ってもみなかったであろう。
米国に打ち勝つ為には、戦艦大和とは利点が大きく異なる。製作の段階においては、9試計画は新機体開発の為の一過程に過ぎない。製作サイドもそれは同じであった。ただ、作るからには良い航空機を作りたい。そう言った狙いは確実にあったと言える。
無論、気合や根性で、戦争の行方は変わらない。海軍が9試計画をスタートして足掛け6年。ようやく零戦として実戦デビューする事になるが、そこまでの道程は決して平坦なものでは無かった。




