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零の風~あるパイロットの戦争~  作者: 佐久間五十六


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リファインされた機体

 英語で洗練されると言う意味の単語は、リファインであるが、零戦は正にこの単語が当てはまる。洗練された機体美はまさしく、日本海軍が誇った最強の戦闘機の名に相応しい。

 だが、機体の美しさと機体の強さは必ずしも比例しない。事実、米国海軍の誇った機体であるボートシコルスキー・コルセアやグラマンF4FやF6Fと言った太平洋戦争中に活躍した機体は鈍重であり、とてもリファインされたものとは言い難かった。

 にも関わらず、その馬力の強さ一つで零戦を上回ったのである。機体の美しさよりも、機能美を追求する辺りが米国人らしいと言えば米国人らしいだろう。

 戦闘機開発で最も必要な事は、美しさでは無く空戦に強く艦上攻撃・地上爆撃を行うに辺り、相手方よりも優れた性能を持つ機体を作れるかという事に尽きる。性能を追求した上での機能美の追求。これこそが、航空機開発の真髄であると言える。

 その点零戦は完成度の高い戦闘機であったと言える。最後は米国の力の前に屈したが、強いものは美しい。と言う理念があったからこそ、零戦はここまでの機体になれたのである。零戦が不運だったのは、零戦の最盛期を迎える前に、戦いが始まり全盛期を過ぎてからも長く現役である事を強いられた事である。それだけは、リファインされていない悲しい運命にあったのであった。

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