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言うこと聞かないと"消去するぞ"!  作者: あんでる病んでる
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8 "Re"match

ドワーフかっけええ

森の中を進んでいく。

森に入ってから小屋での出来事を出来るだけ細かくグベルダンに伝えた。


『なるほどな。現場に行ってからではないと全て信じられるわけではないが。。

それに最近は、魔物や盗賊などの被害が頻発していてな過敏になっているんだ』

グベルダンはこの状況を申し訳なく感じているんだろう。

立場上、疑うのは仕事だしな。

ただ、

軟禁とはいえ護衛がいると心強いもんだ。

話が終わる頃、監視小屋が見えてきた。


監視小屋は特に変わりもなく、、

いやいや、油断は良くない。


盗賊も二人だけとは限らない。

盗賊は小規模から大規模まで幅広く、大体は徒党を組んで行動してる方が多い。

理由は簡単だ、1人より、2人、更に多ければ荷馬車や街を襲う際に有利であり数の暴力には勝てない。

現実世界の盗賊は見たことはないので大体はファンタジー小説や、ラノベあたりの知識だな。

それに種族はどうあれ群れるものだ。


盗賊2人が帰ってこないのを仲間が確認しにくる可能性は少なくない。

気を引き締めないと。


馬車が止まる。

グベルダンは立ち上がり、馬車から降り周りを確認する。

『配置につけ。下馬』

てっきり怒鳴るかと思ったがグベルダンも警戒している。

ここで怒鳴れば敵に位置を知られてしまう、誰がリーダーなのかまわるわかりだ。

ん?そうなると俺達まで疑われかねないけど、、そもそも俺達の容疑も晴れていないんじゃないのか?

後ろからグサッなんてあるかもですぜ!親分!はは


下馬した兵士から身の丈くらいの剣をグベルダンは受け取る。

RPGの世界でよく見るやつだが、、グレートソードってやつか。。

ゲームとはいえ、実物を見ると圧倒的存在感。

それを軽々片手に持っている。

あんた、やばいやつですやん。強キャラですやん。


真剣な面持ちでグベルダンは言う。

『槍兵は前へ、目標は小屋だ。

槍兵の後ろから俺達が。ケツは剣兵が務める、旅人よ私が斬られれば容赦無く後ろの剣兵が君たちを殺すだろう

覚悟してくれ。それと自分の身は自分で守ることだ』


『ふん!分かっているわ。いくわよジン!』

『ああ』

俺もミザも馬車から降りて隊列に加わる。


グベルダンの言うとおりの隊列になり

小屋を目指す。

前の槍もち2人はドワーフ族で背はグベルダンよりは低めだが低重心からの槍は強く、リーチも長い。

後ろの剣を持つ2人もドワーフ族、槍の2人よりは背高めだが俺やミザ、グベルダンよりは低めか。

槌の騎士団はもしかしたらドワーフ主体で編成されてたりするのかもな。


ドア前まで着くと、前にいた槍兵は左右に分かれドアを挟む。

『いくぞ』

静かだが緊張した声と同時にグベルダンはドアを開ける。

キィッー。。


ドアの先には、あの時と変わらず机の上には盗賊と、兵士の遺品が綺麗に並べてある。

『ここで待っててくれ。俺は奥を見てくる』

そう言うと、グベルダンは奥の部屋へ消えていった。


その間に外の槍兵は小屋のドアを警護し、剣兵も馬車の護衛をしている。常にツーマンセルでの行動だ徹底されている。


少しするとグベルダンは戻ってきた。

『奥にも誰もいなかったが、まだ森の中に盗賊が潜んでいる可能性はある油断はしないでくれ』

『そうね。私もジンもちゃんと理解してるわ真面目ね、ドワーフは』

『性分なんでな』

真剣だ。言葉に重みを感じる。


『アイクとヘイズの遺体を埋めた場所に案内してくれ』

『ええ、もちろんよ』

そう言うと、ミザは小屋を出ていく。

その後を追うように俺と、グベルダンも続く。


小屋を出て裏手へ回る、目じるしの石が見える。

『簡易的だけど、その石2つ並んでるところにそれぞれ埋めたわ。

盗賊は、石よりすこし奥の場所に埋めてる。彼らには墓碑はないから』


『そうか、、手間をかけたな』

そう言うと、グベルダンは剣を土に刺し片膝をついて目を瞑る。

すると、グベルダンの周りには金色の大粒の雪みたいなものが舞っている。


『ミザ、あれはなんだ?』

『あれは、土の精霊ね、慈しみの光を感じる。優しい色をしているわ』

精霊はグベルダンの周りを浮遊し、やがて光が弱まり消えていった。


『彼女達が教えてくれた、感謝する。

そして、疑いは完全に晴れた。

君たちは自由だ』


そう言うと、グベルダンは立ち上がり笑顔でこちらを見た。


『これで疑いは、晴れたわね。はー、とんだ回り道よ』

ミザは皮肉に言うが、口調は少し嬉しそうだった。やはり可愛い!


『グベルダンさんは、これからどうするんですか?』

『ん?小屋の整理と戸締りをしたら街まで帰って報告と兵士の手配だ。

ここの小屋は森の管理と、盗賊なんかの情報や、隣国からくる商人、旅人なんかを監視する大事な拠点だからな。

今回は手練れの盗賊だったのか、油断したのか分からないが人員増強と交代頻度をあげて対応しようと思う』

しっかりしてるなー、ただ急がないとな何日も小屋を放置するのも良くなさそうだし。


『早速だが街へ戻る。やる事が多くてな。

国王様に謁見しお伝えしなければ、時間が惜しい』

グベルダンも同じ考えのようだ。


グベルダンは剣を背負い、馬車の停めてある方へ戻っていく

ミザと俺も、安堵した表情でお互い見合わせる。


『さぁ、行きますか』

『お腹空いたわ。街に美味しいものあるかしら?』

そんな話をしながら、その後を追っていく。

・・

・・・。


『敵襲!!敵襲!!』

ホッとした雰囲気をかき消すように森に響く兵士の声。


その声に皆、駆け出した。

次回もお楽しみに!

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