第0話 - 好奇心旺盛の神
「んん。前回人間どもは魔法の量に耐えられなかった。やはり人間の体は弱いなあ。俺が選んでやった勇者もダメだったし。俺に選ばれたことをあんなに自慢したあまりに俺を怒らせあがって・・・んん、今回はそうだなあーエルフ族はどうだ。
普段は自分の領域内で一人でやってるけど、今回はお客さんがいるようだ。どうやってここに入ったかわからないがまあどうでもいいか。じゃまず俺からの自己紹介で行こう。
俺はラクスティックス、魔法を滑る神だ。そしてここはグレリア、二つの太陽に包まれた美しい世界。夏は特に暑いけど耐えられないほどじゃない。二つ目の太陽は西から登ってその光に照らされる山岳もまた美しい。まあ話に戻ろう・・・
この世界では多数の種族がいる。知性を持ってるのは人間だけじゃない。エルフやドワーフそれに魔人族とかいろいろ。俺のこの世界での役目は魔法滑ろこと。魔法をルールに縛ること。そのルールを破って許可された限界を超えようとした者を止めること。止めるべきなんだけど、だいたいいつも自分の好奇心に負けてる。どうなるかっていう考えが強めにでる・・・
今回はエルフの赤ん坊にかごを与えようと思ってる。自分の印をその体に刻んだらどうなるだろう。前回人間で試したけどあいつ大物になる前に死んじまった。今回初めてエルフを選ぶ。
よっし、あいつで決まりだ。」
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「んん、そうか、これは魔法円か。少し難しそう。でも仕方がない、材料は足りたらいいけど。これとこれとこれ、で最後に自分の血。召喚のための魔法円を描くために自分の血をインク代わりに使う。」
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「よっし、赤ん坊も選んだからやっと楽にして観察することができる。白い紙と赤い瞳、それらは俺の印を持つ者の特徴、もちろん魔法との相性も抜群。それに体のどこかに印は形として現れる。白い紙も赤い瞳もエルフ族の中で珍しくもないからこの子どんな人生を送るだろう。女の子か、面白い。
エルフが印を持ってるなら体よりキャラが変わっていくみたい。何かこうもっと能動的になってる、すごく能動的に。うお!エルフは普段冷静なイメージだからこれは意外だな。これからどうなるか楽しみ。スナック!!」
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「準備できた!やっと始められる。呪文は何だっけ、んん、よっし!始めよう!
ウルのゲート開け!
世の理を破り私の前に降臨せよ!
わが剣となりてすべての敵を滅ぼせ!
この血を代償として汝をここに召喚する!」
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「んん、エルフのガキはもう人間どもの横暴に耐えられないみたいだな。選ばれた者の力で奴らと戦争を始めあがったか。残念、本当に・・・エルフほど冷静と懸命の種族がこんなミスをするとは・・・
まあ、俺はただの観察者だから。戦争も終わりに近づいてるか。ヤッベ!スナックが終わってる!スナッー!
赤い光とともに赤い円環か。それに直接俺の領域内に・・・意外だな!魔法円に似てるけど何かが違う。面白い!全集中力をもってこれを調べないと・・・スナップ!全集中力ってのは今の実験を中止るってことだ。」
スナップとともにラクスティックスはそのエルフの女性に与えたすべてを消した。彼の印、力・・・すべてを。いま彼の赤い目に映ってるのはその赤い円環だけ。少しdずつ慎重に赤い円環に近づいた。キラキラ赤く光ってたその円環は彼、魔法を滑る神、冴えがわからない文字で書かれていた。
「今からきみをぎっちり調べるよこのうつくーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
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またも好奇心に負けたラクスティックスは赤い光とともに魔法円の中に吸い込まれてしまった。