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爆縮と体温の機知(8)

雲流形

青空が透けて見える薄雲でも

目を凝らして観れば

ゆっくりと動いて見える

まるで社会の中の人間だ

あっちにくっついて濃くなり

こっちにくっついて

更に薄くなったりする

常に動いていて

動かない者など居ない

そこに居ると思っていた者でも

何処かに移動していくのである


手が届きそうな位置にある雲が

ゆっくりと流れていき

あの山の天辺に打つかると

山頂だけ見えなくなった

そう見えただけで

本当は違うのかもしれない

物事からの距離には

錯覚させられる何かがあり

あの違いが

当人の結論との差である

真実を知ったところで

決める権限など無い

僕等にあるのは観客席である


雨雲の中でキラキラと光る雷は

ぶつかり合いで出来ている

落雷が誕生することであるなら

ぶつかり合うことは

悪いことでは無い

ゴログル鳴る雷の音が

健やかに聞こえてくるなら

落雷の瞬間に

一種の喜びを得ることが出来る

あの綺麗さが見えないなら

憧れなど持たれるだろうか

あれを

好き以外の理由に

出来ないのだろうか

光ることは美しいという感覚が

無くなったのだろうか


湿った空気の多い夜は

三日月に近い明かりでも

その周りに輪が

薄っすら広がって見える

唯一の灯りみたいだったから

その円を見ているけれど

少なくとも

ただのまやかしである

あんな綺麗に円は出来ない

理想みたいな物が

夜空に張り付いているだけだ

それを分かっていながら

目標にしてしまうのは

出来る限りの作りたい物が

有るからだろう

それ以上にしたいのだ

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