部活立て直しの計画
先輩との別れ際、合流した卯月を合わせた4人で帰ることになった。
卯月と三村は"部長様談義"に夢中で、たまに明日が突っ込む。そして俺は唐突に振られる話に適当に相槌をうつ。
そんな感じで帰っていると、学校の最寄り駅についた。そして俺は口を開く。
「次からまた、頑張ろうか」
そう言うと皆、深く頷いた。
「私たちの代わりにたのむよ
生物部を、正してあげて欲しいな
まだ伸びる子達の翼を折るのは、私は反対だ」
まぁ、ただのエゴみたいなもんだがな。と続けて笑う。
「部長様だけのエゴではありませんね
だって私だってそれには同意ですもん」
三村が黒い笑みを浮かべつつ微笑む。
その表情は彼女が本当に怒ってる時くらいにしか見せない顔だ。
「ん。自由にできたからこそ部活、やめなかったし、面白かったし、たくさんの発見があった
確かに指定されても発見できるものはあるけど、自分達でやって初めて自分のモノになるし、感動が大きい
そういうことを知らないのは、すごく勿体ないと思うし」
明日が珍しく少し語気を強めて言う。
二人の言葉を聞いて頷きつつ、先輩は俺を見る。
「…俺も、そういう発見があったからやれてきた…だから楽しかったです
多分、今の状況はとても悪いンじゃないかと思います…皆には楽しく自分の思ったことをやってほしいから、どうにかしたいです…」
俺も思いを口に出す。
先輩は順に俺たちを見てから、考えたような素振りをし、そして微笑んだ。
「うん、じゃあよろしく頼むよ
何をすればいいか、分かるだろう?」
「えっ!?何をすればいいんですか!?」
三村が馬鹿正直に聞く。でも正直、俺もよくわからない。明日はわかったのかなんなのか、頷いていた。
三村の言葉を聞き、苦笑いをしつつ先輩はこう答える。
「今君たちが言ったことをまとめればいいんじゃないかな?
いままでの事とかさ」
「…つまり、今までの活動記録とか、部活の雰囲気とか、私たちの思いとか、部員の思いとかともかく今までの雰囲気が伝わるような、纏めたものを提出した上で、先生と話し合えばいい…ですかね?」
そう問うと、先輩はそーいうこと!と言った。
…単純なことだったのになぜ思いつかなかったのだろうか。
じゃあ、そろそろ帰ろうかな。と、在学時代からずっと私服の際は毎回身につけているウエストバッグの中からスマホを取り出し、時間を確認されていた
俺たちがありがとうございましたと頭を下げた瞬間、カフェテリアの入口の方から「部長様!?」と、三村と同じような反応をした卯月の声が聞こえてきたのだった。