相談 2
「…正直私が今忙しくなければ、殴り込みにでも行きたいよ…」
そう、サラッと古河先輩は恐ろしいことを言った。冗談だと思いたいが、きっと目つきからして、本気であろう。
古河先輩は今は大学4年生…就活やら卒論やらで忙しいはずだ。…大学院に行くようならそうとも限らないだろうが、ともかく忙しいとは思う。
多分この学校に遊びに来るのも、時間的にたいへんだとは思うけれども…
「生物部って、人に対して強く言えない部員がほとんどだろう?そして、押しが強い人には本当に何も言えない」
古河先輩が言う。それに対し3人とも、全員頷く。特に、今の部長たちの代は結構控えめな正確な子が多い。
「昔からそうだ…だけど昔は何に関しても自由にやらせてくれた、島もいたし、…もう片方の顧問はずっと定まんなかったけども…途中から顧問になったゆいこ先生はいい先生だと思う、授業しか私は受けたことがないけれど
それだから別に前までの部活では、強く出る必要もなかったし、無かったと思う
押しが弱くても何も問題ない
ただ、私の代と、その一つ下の代は結構強く言う奴は居たが…」
続けて、ま。それで幾度と無く喧嘩したけれどーと、先輩は笑って言う。
…確かに三村や卯月と共に、古河先輩と、当時の副部長が物凄い口論になっているのを聞いたことがある。
その時二人して、ちょっと言い合ってくるね、と言って部室の奥にある、教科別教員室に引きこもってやっていた。
正直あれはすごかった、と今でも思うほどだ。
笑っていうようなネタではないと思うが…それを笑って言うのが古河先輩らしい。
「部員の圧しが弱いのは、まぁ顧問がカバーすればいいんだが…ただゆいこ先生って…」
「押し、弱いっすよ。ついでに流されやすい」
明日が言う。あー、やっぱかー。と先輩が上を見上げる。
「うーん、本当に殴り込みに行きたいよ…」
「それだけは本当にやめてください…」
「冗談だって」
そう言いながら先輩は笑うが、全然冗談に聞こえない。
「ねぇ、君達は部のためにこの問題、何とかしたいんだよね?」
その問に対し、俺たちは全員頷く。
「じゃあさ、私の代わりに…いや、私達の代わりに頼むよ」