相談
「えっ、まじか」
俺達は、生物部で今起きていることを話した。
すると古河先輩はそれを聞いて驚いた表情を浮かべる。
「んー、島が顧問やめてからなんか大変だねぇ、生物部」
「たしかにそれは言えてますね」
と、俺は苦笑する。
島…島崎先生は、30年ほどずうっと生物部の顧問を担当していた、おじいちゃん先生だ。
島崎先生が体調を崩しやすくなり、非常勤教師になったことで二人でやっていた生物部の顧問はゆいこ先生を残し、片方の先生も変わった。
それから2年間は雄山先生が生物部を担当していたわけだが、意外にも先生は体力なかったり、濃すぎる部員達についていけなかったりで、部活は結構混沌としていた。
「信任の先生…盛長先生だったか?
その人、前は別のところで教師してたんだって?」
その言葉にはいと、頷く。
「で、そこでも生物部の顧問をしていたわけだ」
「…それは、知りませんでしたが」
あっ、そうなの?と先輩は首を傾げる。三村も清水もコクリと頷く。どこからそんな情報仕入れてきてるんだろうか、この人は…
そう思っていると、口から漏れていたのか、先輩は本人から聞いた。とだけ言う。
「話してらっしゃったんですね」
「部にもう来ていたしね、気になって話してみたんだ
それで話を戻すと、君たちの話を聞いた感じだとどうなら、同じ形式で部活運営をしていたそうだよ
…私はそれをうちの部活でもやっていた、というのは本人からは聞いてなかったけどな」
そういうと、一息ついてから先輩は独り言のように、こう呟いた。
「雛鳥から翼を奪って、楽しいのかね。そいつは」
その時の先輩の表情は、今まで見たことがないくらい冷たかった。