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『上の空にて ~空の写真集~ 』
空を見上げること。
一日に何回あるでしょう。
空乃千尋さん作エッセイ・『上の空にて ~空の写真集~』には、様々な表情の空があります。
その多彩な様子に静かに呑み込まれていく。そんな感じです。
そして出逢う空全てが、美しくないということがないのです。
添えられた文章も優しく、まるで一片の雲の浮遊のよう。
きっとこの作品は、疲れた人にほど、滋味のように染み渡ることでしょう。
風は目には見えないけれど、吹かれて動く物により、確かに存在を確認できる。
風の姿が見える気がする、と作者は言います。とても繊細な感覚で綴られたエッセイだということが、この文章からでも解ります。
空に出逢ってみませんか?
『上の空にて』