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『サマースマイル・アゲイン』
夏という季節は、とりわけ若者には特別な感覚で受け入れられる季節ではないでしょうか。
タカトウリョウさんの『サマースマイル・アゲイン』を読むと、そんな気がしてしまいます。
どうして優しい人ほど早死にするのか。
そんな問いかけがそこかしこに出てくる、ひと夏の青春物語。
死に焦点を当てるからこそ、生の輝きを強調しているようにも思えます。
主人公の春原小秋は、親友である冬木真夏に想いを寄せます。
二人の名前に四季が入っているところが、一対を思わせる効果を演出しているようです。
小秋は真夏に想いを寄せるのですが、学年一の美少女とも言える真夏に臆して中々、告白できません。
その心情、葛藤がこの作品の何よりの見どころではないかと思います。
小秋がそうこう悶々としている内にある事件が起きて……。
さて、彼らはどうなるのでしょうか。
『イルカ』
タイトルの理由は、お読みになれば解ります。
夢と恋が交錯する青春物語。
間違いない良作。
読み終えたあと、あなたもコーラが飲みたくなるかもしれません。