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『婦好戦記 〜殷王朝の最強王妃と十四歳の巫女軍師、乱世の中華に戦う〜(挿絵あり)』
中国は殷王朝の時代。王の妃でありながら、優れた武人としても名高かった婦好という人がいました。
彼女は実在の人物です。
そして文字を知ることが禁忌とされたこの時代、その禁忌を犯した少女・サクは、占術と戦術立案の才を婦好に見いだされ、戦場に出ることとなります。
佳穂一二三さん作『婦好戦記 〜殷王朝の最強王妃と十四歳の巫女軍師、乱世の中華に戦う〜(挿絵あり)』は、からりと乾いた率直な文体、飾り気のない表現が魅力的で、だからこそ特融の美しさを感じさせる作品です。
『戦場の乙女』
当時の馬車や鎧の資料を、佳穂さんから提供していただきました。
物語の魅力を十二分に引き出せているとは言えない絵ですが、心を籠めて描いた絵です。
戦略や占いなど、当時の空気がリアルに感じられる良作です。
サクと、主人である婦好の絆も見どころ。
優れた戦記ものと出逢えました(ジャンルは歴史です)。




