『永訣のための狼煙――蘇りの家では昔日の夢があなたを思い出す』
今回、ご紹介するのは
玄井つぇるさん作 『永訣のための狼煙――蘇りの家では昔日の夢があなたを思い出す』
と、続編『夢みる徒花はただでは散らない』です。
前者は第一回モーニングスター大賞、二次審査新紀元社社長賞受賞作品です。
ざっくり言えば魔法が使える魔法使い結社のくわだてる革命のお話。でしょうか。
「魔弾の射手」と名乗る彼らは、見どころのある魔法使いを自陣に引き込んだり、いわゆる反社会的な行動を専ら行います。
文章がやや難解ですが、非常に魅力と筆力ある作品です。
『台地に住まう魔法使い』
作品世界をイメージして作ってみました。薫香漂う、暗色が似合う物語です。
『つえさや』
心から魔法を望む者に、魔法を与えて回る不可思議な男女、つえとさや。彼らをイメージして作りました。
人物描写が豊か!
ベロモルカナルという、理想に燃える男に尽くす女性、盲目的に「魔弾の射手」のトップを崇拝するアングという名の足の不自由な男性、そして「魔弾の射手」トップのシュトラーダルという男性はアダーリヤという魔女に恋焦がれて…。
色んな登場人物が、様々な心模様を織りなしていきます。
最後は顛末記で終わってしまうのが惜しい作品ですが、九藤としてはベロモルカナルの一途さをぜひ見てほしい作品です。
純文学好きの貴方にぜひお薦め。