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『黄昏の視線は狭間の中に』
黄昏時は逢魔ヶ時とも言います。
一日が終わり、日が暮れていく束の間。ふと心緩む時。何かが入り込むのかもしれません。
野川真実さん作『黄昏の視線は狭間の中に』。
実はこちら、九藤が主催する黄昏時コンテストに参加いただいいた作品なのですが、普段の野川さんの筆致とはまた異なる味わいがあります。
『僕の恋する彼女』
黄昏時。毎日、旧校舎の三階の窓から主人公を見つめる彼女。
なぜ見つめるのか。彼女は誰なのか。
ある日、意を決して主人公は旧校舎に足を踏み入れるが……。
もしかすると人ではないのかもしれない、幻かもしれない。
けれど自分を見つめ続ける彼女に、確かに彼は恋をするのです。
繰り返される逢瀬は、確かに恋愛の一つの形と言えるかもしれません。




