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『ヒデリノアメ』
もしも自分が死んだあと、残る意識と身体があるとしたら、貴方は何がしたいですか。
津蔵坂あけびさん作『ヒデリノアメ』は、様々な問いを読者に投げかける作品です。
主人公はまだ少女なのですが、不慮の事故で亡くなっています。
けれど意識はある。
そして、ある青年と恋に落ちる。
『心模様』
少女は同じく亡くなっている祖母に言われます。
「その人の望むことをしてやりなさい」自分が何を出来るか考えなさい、と。
その結果、少女がの選んだ道は切なく遣る瀬無いものでした。
相手と相思相愛になることだけが、相手の為になる訳ではない。
作中には二人で鳴らすと結ばれるという鐘つき台が出てきます。
自分はもう死んでいる。相手は生きている。
相手に一緒に鐘を鳴らさないかと言われたら、貴方ならどうしますか?
海辺で、少女は青年にタカラガイを渡します。それが物語の鍵の一つ。
生きている、死んでいる。好き。
連想ゲームのように、色んなことを考えてしまいました。
アメブロさんでも読めるそうです。