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『契りおきし』

契りおきし させもが露を 命にて

あはれ今年の 秋もいぬめり



百人一首で有名なこの和歌の意味は、「甘露のような約束を命の綱と頼んで待っていたのに、今年の秋も過ぎていってしまいそうです」。つれない恋人を恨めしくも愛おしく思う恋の歌です。


霜月透子さん作『契りおきし』は、そんな和歌の内容を彷彿とさせる物語です。



挿絵(By みてみん)


恋焔(こいほむら)


鄙びた山郷に住まう姫は、紅葉の頃に訪れると約束した「月の君」を待ち侘びる。

待ち侘びる余りに、恋の焔が姫諸共全てを焼き尽くしてしまう。



文章は雅で気品があり、美しい作品を読みたいとお思いの方にはぜひ、お薦めしたい作品です。


姫君は「紅葉(もみじ)の姫」と呼ばれ、公達は「月の君」と呼ばれます。

互いに名を呼びあい、月の君の吹く笛の音を聞く内に一夜が明ける。

月の君は約束をして去るが……。



生々しい邪悪なものが欠片も感じられない、けれど情念の漂う良作。月の夜に読んでも良し、紅葉の頃に読んでも良し。


雅を堪能してください。






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