『戦国恋うる君の唄』
戦国時代にタイムスリップ。よく聞く設定ですよね。
武将が美少女だった。これもよく聞きます。
ですが今回、ご紹介する橋本ちかげさん作『戦国恋うる君の唄』は、そんなテンプレを凌駕した、知識の網羅された作品です。
歴史小説であり、バトル小説であり、そして恋愛小説であり。
橋本ちかげさんは『水茎の跡』でも紹介させていただきました。
『虎姫』
タイムスリップした主人公の真人が出逢ったのは、美少女の上杉謙信。長尾景虎こと虎千代でした。虎姫と称される彼女の剣腕は超人的なものがあり、それがこの作品の見どころの一つです。
『鵺噛童子』
出逢った当初の虎千代は、鵺噛童子と称され、京都の町を震撼させていました。
『紫水君』
虎千代をイメージして作ったブレスレットです。紫水晶が、凛とした彼女には似合うと思いました。それから清水、緑深い山……。イメージの集大成がこれです。
『黒姫』
虎千代命、なくのいち。料理の腕前もさることながら、戦闘能力も抜群です。
『舞う羽』
かささぎさんと言いまして、高貴で幼い主君に仕える女剣士。九藤の好きな登場人物です。剣腕もさることながら、料理の腕前も一級。そんな女性がこの作品には多い気がします。虎千代は、あれですが……。
『ミケル・ラウラ兄妹』
途中から真人たちの仲間になったバスク人の兄妹。兄であるミケルはエスパーダを、妹のラウラはレイピアを使います。
『only you』
姉の復讐に燃える妹と、それを遠くから見守る姉。そういうイメージで描きました。妹が進むのは茨の道。きっと姉は、そんなことは望まないだろうと。二人は現代人で、妹は真人の仲間として活躍することになります。真田家の後裔という設定です。
飯テロも充実して、これでもかという要素の詰まった作品、最近は近代日本兵まで出てきています。
ラノベでありながら重厚。
そんな作品を読みたい方にお薦めです。