76/100
奄美のリアル事件簿 『変装眼鏡』
推理小説にでてくる名探偵や怪盗は変装の名人だ。私・奄美も挑戦してみることにした。ここのところ、PCでの作業が多いから、目がしょぼしょぼしていた。丁度良いではないか。PCの有害光線カット用の眼鏡を購入。それを着用してみた。
十八時。仕事で滞在している安宿の通路を歩く。近い部屋にいる測量会社のサブさんに挨拶する。退勤してきたばかりで、扉を開けるところだった。
「こんばんは」
ぎょっ。「こ、こんばんは……」
塗装職人のゲンさんが階段を上ってきた。
うおっ。
変だったか。
部屋に戻り、恐る恐る鏡で顔をみてみる。
げっ。
そこにいたのは目玉ぎょろぎょろ怪人だった。
街に出なくてよかったあ。不審者として、お巡りさんに補導されるところだったよ。
了




