もう一度妻をおとすレシピ /ホウレンソウのソテー
日曜の昼下がり、冬のシーサイドロード歩道を貴男と奥方が歩いていました。九十九里南端のサーファー通りとでもいうべきところで、レンタルボードと修理を扱う店、また彼らを相手にした宿泊施設なんかが建ち並んでいます。椰子に見立てたシュロは街路樹になっています。リゾートですねえ。
投錨し青い空、紺碧の海。沖合にはクルージングボートが一艇、数羽のカモメが渚を舞っているのがみえます。道路の端に、海を臨んだテラスがあり、シュロの下にベンチが設けられていたので、そこに腰かけ、黒髪など撫でながら、スイーツにこうささやくのです。
「いつも思うんだけれど、君って雪のように白い肌をしているね。でもここはなかなか雪が積もらないから、比較ができなくて残念だよ」
ぽっ。
ランチタイムになりました。 宿泊している貸別荘に戻ります。ビトンのサングラスを外した貴男は、場面的には魚料理をつくりたいのを、なぜだか、ぐっ、と堪えてホウレンソウのソテーを作ってしまうのでした。ではレシピをご覧ください。
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まず、ホウレンソウの束を適当に切って鍋にぶちこみ灰汁抜きしておきます。つぎに、別に用意したフライパンに、オリーブオイルを敷き、刻んだベーコンを炒め、そこに茹で上がったホウレンソウを加えて拡販。塩胡椒を加えます。これだけで、もう出来上がり。
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別につくっておいた、メインディッシュのパスタに、ソテーを盛った皿を添えます。飲み物は、寒いですからワインやビールではなく、ブランデー、ウイスキーあるいはウォッカなんかも合うんじゃないでしょうか。
さて、ベランダで髪を風に遊ばせている奥方をダイニングキッチンに呼びましょう。
「寒くなかったかい? テーブルに載せた料理が君を温めるよ、きっと」
はい、これで貴男の奥方はもう、い・ち・こ・ろ♫
了
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ノート20130128/校正20160514