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もう一度妻をおとすレシピ /トマトサラダ

 冷めた風が吹いている青空。秋の浜辺を歩きながら、ワンピースに麦わら帽子をかぶった彼女の肩に腕を伸ばして引き寄せ、耳元にささやく。

「心を色に例えればあかかな――」

 すると、いまさらながらに頬を赤く染めるその人の口紅が、あまりにも鮮やかであることに気づき胸高鳴らせる。

 情熱の色を鮮やかに残したまま暑気をクールダウンさせるレシピをご紹介しましょう。いや、きわめて簡単。本日は『トマトサラダ』です。

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 トマト二個ばかり熱湯に数秒くぐらせてから皮を剥きます。すると容易なもので、するする、と包丁が進んでいくことでしょう。厚みをそろえ、輪切りとし、トマトの酸味を生かすため、酸味の少ないドレッシングをかけてやります。これにパセリ、玉葱や、ゆで卵の輪切りで飾ります。玉葱は水にさらすことで辛さを抑えることができます。

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 浜辺に望んだ貸別荘、テーブルに皿を置き、「冷えたビールと石釜焼きのパン、そして君がいればあとは何もいらない」と瞳を涼しくしていってやりましょう。貴男の奥方は、もう、い・ち・こ・ろ。

 それではまた――。

     了

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引用参考文献

  猪本典子 『修道院のレシピ』 朝日出版社 2002年

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ノート20120812/校正20160514 

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