読書/安芸とわこ 『愛していると言いなさい』
私がブログサイトで自作小説をはじめたばかりのころ、安芸とわこさんはランキングサイトのはるか雲の上にいらっしゃいました。Webコンテンツに登録していたところ、ときどき、ご来訪頂くようになり、同サイトが運営する第5回ミステリー大賞に応募したとき貴重な一票を投じてくださいました(公募は参加するためにある――いつも賞をとれない人のいいわけ)。しかし、この方、なんとまあ、プロデビューされていたのです。そこで早速書店に書籍を注文し、昨日、読んでみた次第。
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ヒロイン相良紅緒は、平日ごく普通に働く日本のOLで、週末になると、異世界ダスタ・フォーン国の大魔道士リゼに召喚され助手になります。大魔道士は身長二百センチのイケメンですが、建国元勲なのでみかけは若いけれどもけっこうお歳かもしれません。紅緒にぞっこん。そのあたり紅緒さんはちょっと鈍い。
他方、王太子ジークウイーンという存在があります。筋金入りの女嫌いで父親の国王が心配して、王太子妃を迎えるため、恋愛指南役の女性を募集すること多数、ことごとく失敗し解雇されてしまいます。わがままな坊ちゃんですが彼もイケメン。そんな彼も次第に大らかで面倒見のいい紅尾に心開いてゆくのでした。ヒロインと大魔道士がキュートで、王子様はやんちゃだけれどクール。
はい、ファンタジーのスタイルをとっていますが、三角関係恋愛もの。台詞と説明文のバランスは絶妙にして、とても読みやすい仕上がりになっています。面白いです。
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書籍三巻を購入したとき、書店レジにいたのは男子学生バイトさん(笑顔)。
それから、隣にあるファミレスに行き、深夜のスイーツとフリードリンクを注文。スイーツは桃の果肉にシャーベットを乗せ、ムースをかけたもの。ドリンクは、パッションピンクのオレンジジュース。注文を取りにきたのは、女子学生バイトさん(笑顔)。
本を開いたとき、二人の視線が重なり、少年(←誰が?)は、いけない本を隠すかのように、書店の黒いビニール手さげ袋に書籍を突っ込んで、カモフラージュにもってきた、ダン・ブラウン『天使と悪魔』を開きなおすのでした。
いやあ、少女漫画風のカラーイラストが表紙ですよ。カバー外したら同じ絵柄でショッキングピンクの装丁。深夜スイーツで、妙齢の少年(←だから誰が?)が開いているのを想像してください。小指が立っちゃいますよお(超赤面)。
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引用参考文献
安芸とわこ 『愛しているといいなさい』アルファポリス 2011年




