もう一度妻をおとすレシピ/にんじんのクリーム煮
出張で南房におります。冬なのにサーファーが波乗りしてます。食後に一杯ひっかけた私。突然、何を思い立ったか、厨房にたっちゃいました。いけませんなあ、もう病気です。しかし健全な所帯持ちの貴男でも、簡単にできる冬の料理を紹介いたしましょう。にんじんのクリーム煮 "Carotte A LA CREME" ふふ。フランス語のメニューを、奥方の耳元で、スイーツにささやく。そのまえに、レシピをどうぞ。
人参、バター、サトウ、生クリーム、塩。まあ分量は気合とセンスと深淵な奥方への愛で乗り切りってしまいましょう。波のりだあ♫
まずは人参。皮をむき、良く洗って薄切りにする。つぎにフライパンに、バターサトウ、塩、そして今の人参をぶち込んで炒める。そこへ水を加える。沸騰させよう。それから蓋をして、ぐつぐつ、煮込むこと三十分。煮汁がシロップ状になったところで生クリームをたっぷり加えよう。そして、煉獄の業火の如く、ぐーらぐーら、煮込むべし。
ああ、思い切り酔いが回ってきた。まるでサーフィンをしているみたいだ。
「駄目じゃないか、君のせいだぞ」
なんて、彼女をみつめて、テーブルに皿を並べるのさ。グラスにブランデーを注いでね。そして貴男の奥方は今宵も、イ・チ・コ・ロ♫
了
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引用参考文献
猪本典子ほか『修道院のレシピ』(朝日出版社 2002年)より
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ノート2013/校正20160516