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漆黒の姫君(Caliburne Saga「1」)  作者: 首藤えりか
第二章・傭兵団ゴッドハンド
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第二章・その二

クエストをこなすための仲間を求めて傭兵団本部へと向かったエステル、新たな仲間は頼れる? それとも頼れない?

「あたたたたっ!」

鼻を押さえて思わずうずくまる私に、扉を開けた当人はやっと気づき…

「あ、ごめん…」

慌てて私に駆け寄ると、私の顔を見るなりくくくっと笑い出した。

「な…なに…?」

「赤鼻のトナカイさん♪」

見ると相手は顔なじみとなったきらら。にしても…

「お鼻ヒリヒリしてるぅ!」

「よしよし、泣くんじゃないよぉ」

しくしくやってる私の頭をなでなで、まるで子供扱いしてるきらら、はうぅ、だから私って子供扱いされるの嫌なのにぃっ!

「…で、今日はどしたの?」

きららはふっと我に返って、意外そうな表情で私に問いかける。

「これからお花摘みに森に行くんだけど、なんかね、花屋のおかみさんがここの団員と一緒に行きなさいって…」

「あ、そか♪ ちょうど今日は私たちも新団員の実技訓練だもんね♪」

私の返事にすぐさま合点がいったのか、ニコニコと嬉しそうなきらら。

「けど…」

いきなり真剣な表情になると、きららは私の身なりをジロジロ。

「な、なに…?」

いつもの黒いドレスにロングブーツの私はきょとん、ときららを見つめ返し…

「相変わらず戦う装備じゃないよね、でも武器は忘れてないし、しょうがないか」

ふうっ、とため息をつきつつ肩をすくませるきらら。それを言われると…返す言葉が無いです、シクシク…

「紹介するね! 同じく昨日傭兵団に入ったカズンさんですっ!」

後ろで何やらゴソゴソしていた、ぱっと見には女性とも取れる長髪の青年をひっ捕まえて私に合わせるきらら。

「え…!?」

「…なっ!?」

私とカズン、と呼ばれた青年は顔を合わせるなり、互いに呆然と相手を見つめ合い…

「や、やだっ、もしかして一目惚れ…とか…!?」

逆に脇役に追いやられたきららは慌てふためく。

「…カズ兄ちゃん…?」

「…エリ…か…?」

互いに知人の慣れ親しんだ名前が口から漏れる。

「…もしかして…まさか…お知り合い?」

私たちの意外な反応に気づいて、きららは私たちをを交互に見比べ…

「うーん、そう言われてみれば確かになんか似てるかも」

腕を組んではたと考えこむ。

「わかった! あなたたち、兄弟でしょ!?」

「え!?」

「違います、こいつは僕の従姉妹です!」

きららのツッコミにびっくりする私と、素早く訂正するカズン。そうなのよ、いつもおっとりの私と違って、頭のキレの良いカズ兄ちゃん…カズンはいつもいいツッコミ役だったの。

「ほえぇぇ、あんたたち親戚だったんだ?」

意外なめぐり合わせにきららも呆然。まぁ、そうだよね、一度ログインしちゃうと、このゲームって外の世界と連絡取り合う事、できないもん。

「でもなんでカズ兄ちゃんがゲームの中にいるの?」

ふとした疑問が私の口から漏れる。だって、カズンってこのゲームプログラムの開発メンバーの一人なんだもん。そして、私のVSESヴィーセスの提供者でもあるし…

「・・・ただのテストプレイ♪」

「…ほえっ?」

カズンのけろりと言い放ったセリフにきょとん、とする私ときらら。

「・・・エリリンが心配だからって、恥ずかしくて言えないじゃないか!」

私の耳元でそっとささやくカズン、私はその言葉に顔がカーッと火照るのを感じていました。

次回からクエスト開始!

主人公たちは無事にクエストをこなして帰還することができるのか?

そして、成長することができるのでしょうか?

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