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プロローグ

アルタークロイツ・オンラインシリーズとして書いた「へっぽこエステルは勇者さま!?」の正式版第一部となります。

現在試行錯誤中なので、また内容が変わるかも・・・


  プロローグ


 「…おまえ、本当に婆さんかい?」

頭上に大きな装置を乗せた、明らかに盲目とわかる白眼の老人が目の前にいる老婆に向き、驚愕の表情で問う。老婆はそれに腰を抜かさんばかりに驚き、そして答える。

「私が見えるんですか? 爺さん?」と。


 最近何度も取り上げられてるTVCMだけど、近年最も医学界を震撼させた映像でもあるの。

カマロンメディックの名を不動のものとしたこの人間ドラマは決して作り話じゃなく、試作タイプのVSESヴィーセス、「仮想情報変換システム受信機」を使った臨床実験なのね。

このカマロンは二〇二四年、ゲームメーカーとして新進気鋭の有力企業ビーコム・メディアとの提携を発表、初のフルダイブ型超体感MMORPG、「カリバーン・サーガ」が勇み足と言われながらも翌年発表されるきっかけとなったの。


 「絵里香、お前来年大学受験だろう? ちゃんと勉強してるのか?」

相変わらず口うるさいお父さんが、仕事から帰ってくるなり自室へ向けて階段を上がろうとした私に声をかける。

「してるよぉ、今からちょっと気合い入れようかと思ったとこだもん」

とか答えてる私だけど、正直勉強勉強と口うるさいお父さんにはうんざりしてたり。だから…

先日従兄弟の和樹にもらったVSESセットと、「全てが現実、なんでもできる!」がキャッチコピーのオンラインゲーム「カリバーン・サーガ」を息抜きにやろうかなって考えてたとこ。

いつも勉強に追われてるんだもん、たまには現実逃避、気分転換もいいよね?

 「今日から二万人限定の本運営なんだ…」

すっきりしたフルフェイスヘルメットに進化したVSESヴィーセスヘッドセットに「カリバーン・サーガ」のソフトディスクを挿入し、それをかぶった私はベッドに横になるとそのスイッチを入れる。

ぶぅぅん…

かすかな起動音とともに視界に「~カリバーン・サーガへようこそ~」というテロップが映しだされ…

システムチェックの複数の画像が飛び交う中、私の意識は次第に遠くへと飛んでいく。

いつしか私は現実を離れ、もうひとつの現実、「カリバーン・サーガ」の中へと吸い込まれていった…

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