最終話 夕刻
3
クラウディオに襲われたロティが、黄色い悲鳴をあげていた頃、ニーダルはスラムの住民に追われていた。
「あの野郎を官憲に突きだせば銭になる!」
「明日の飯の種だ。とっ捕まえろ!」
手に手に物騒な鈍器や棍棒をもって、複数の男たちが追いかけてくる。
「おいおい、元気だねえ」
クラウディオが名乗った教主直属部隊”無限の自由”は、契約神器の盟約者だけで構成されたエリート中のエリートで、ベーレンドルフに味方する軍閥においては、雲上の住人に等しい。一方のニーダルは、彼らから見れば流れのはぐれ魔術師にしか見えないだろう。
「向こう側から廻りこむんだ。挟み撃ちにするぞ」
「どうだっ。これで袋のネズミだ」
「そいつは勘弁!」
ニーダルは道路を駆けながら、まだ人が住んでいるらしい廃屋の庭に飛び込んで、洗濯物が干された物干し竿を使って、逆上がりの要領で空中に飛びあがった。そのまま壁を三角飛びに蹴り、向かいの廃屋の屋根へと飛び移る。
「てめえはどこの曲芸師だっ!」
「どっちかっつうと、ピエロらしいんだが」
軽くダンスを踊ってみる。途端、石弓の矢が飛んできた。
「ひゅう!」
ニーダルは屋根を走って、追跡を逃れた。要はスラムを出るだけでいい。こういった区画の住人は、隔離されたスラムを出ることを望まない。なぜなら、外界は、彼らにとってスラム以上の地獄だからだ。
「そらよ!」
スラムと一般居住地を隔てる壁を越えて。
(な)
ザ…、と。
ノイズがニーダルの視界を覆い尽くした。
□
閉ざされた視界が、再び色を取り戻した時、世界は一変していた。
むせ返るほどの、血と、糞尿と、死の臭い。打ち捨てられた骸の山と、流れ続ける血の川。巨大な石弓や大砲を撃ちながら、死を運ぶ青銅の機兵と、無数のモンスターの群れ。
放たれた火が、殺戮場と化した町を呑み込んでゆく。
《――なぜ、逃したのだ――?》
炎がゆらめき、影が踊り、何者かの意志がさざなみのように囁いた。
気がつけば、ニーダルは紅い外套ではなく王国の軍服を着て、銀の髪の女を背負って戦場に立ち尽くしていた。
『お願い、ルド。どうか…』
青銅機兵を引き連れ、巨大な角笛を手にした銀髪碧眼の男が哄笑をあげる。
『私は言わば救世主だよ。
一千年前に偽りのメサイア――――神剣の勇者が”救い損なった世界”を救うんだ。
世界樹へと至る七つの鍵のひとつ。無限の威光で怪物たちさえ平伏させる、第一位契約神器ギャラルホルンの力でね』
《汝が魂に刻まれた原風景を忘れたか? 契約神器という存在が生み出した惨劇を》
炎がゆらめく。町が消える。彼女が消える。仇も、自分自身でさえも消えてしまう。
残されたのは、真っ暗な世界。何もない、守るべきものも、生きる理由もなくなった場所。
痛みと悔恨、痛切な怒りだけが、凍る心の中で燃えていた。
《神焉戦争より一千年。神器と盟約者が招く悲劇は終わらない。我々は、世界を護るため、終焉を呼ぶ神器と堕落した盟約者を駆逐しなければならない。邪悪な存在を破壊すること。それだけが、汝の贖いであり、汝の空隙を癒してくれる》
炎が伝えるのは――。
純粋にして苛烈な白の意志、平和への希求と。
混沌にして愚劣な黒き欲望、引き摺り下ろし踏みつけることを望む怨讐だった。
《我々は我々という個の滅びと引き換えに大悪の徒を滅ぼし、黄昏の世界に黎明を呼ぶものである》
巨大な角笛を手にした銀髪碧眼の男が、フロッティを構えたクラウディオが、ベルゲルミルを抱いたイスカが、暗黒の中に浮かび上がる。
《迷うことはない。芳醇なる実を貪ろう。汝が仇と仇を守る神器を破壊し、この世界に――》
空虚の中に、肉体が零れ落ちてくる。其は、炎で満たす為の容器。目的を果たすためだけに残されたヒトガタの兵器だ。
《――救済を!!――》
『……』
炎の意志が響き渡る闇の中で、自分を呼ぶかすかな声を聞いた気がした。
『……』
大切な誰かと交わした約束を、思い出した。
「バーカ」
空っぽのはずの存在は、燃え尽きた灰から、ルドゥイン・ハイランドの欠片を拾い集めて虚ろなニンギョウに上書きし、ニーダル・ゲレーゲンハイトを作り出す。
「そういうのは、男らしくないだろう?」
ニーダルは炎に近づいて、オデコにあたるだろう部分をピンと弾いた。
《……》
「心配しなくとも、神器が堕ちた怪物も、人に仇為す神器と盟約者も、見つけ次第俺が狩ってやる。その先にいる、あの男とあの男に協力したモノ達を見つけ出し、相応しい場所へと送ってやる。仇を討つこと、彼女との誓約を果たすこと、俺が出来る唯一の手向けだから」
それは血の色にて塗り固められた紅き誓い。いかなる白も、黒も侵す事が出来ない彼自身を満たす絶対の約定。
ニーダルは煌々と輝く焔の剣を振るい、在りし過去と同様に、銀髪碧眼の男が吹き鳴らす巨大な角笛を叩き斬った。
《忘れるな。ルドゥイン・ハイランド。否、ニーダル・ゲレーゲンハイト。我々は汝であり、汝は我々の一部である》
「ああ、この魂壊れるまで、一緒に行こう」
ニーダルは闇の中で炎に頷き、幻影に背を向けて再び歩み始める。
帰らなくてはならない。
真っ暗な世界。何もない、守るべきものも、生きる理由もなくなった場所。……けれど、彼女との誓いがあり、養娘とクソクマのいる現実に。
(俺は命尽きるまで誓いを果たし、イスカとオジョー…あいつの姉兄達を救いだす)
《ニーダル・ゲレーゲンハイト。我々は――、汝は――》
レーヴァティン。人の意志が紡いだシステムは、この時、すでに理解していたのかもしれない。
正義でも憎悪でもなく、復讐でもない。第四の選択を得た時から、ニーダル・ゲレーゲンハイトという存在は、致命的な程に、異端の使い手であったのだと。
――
―――
ゆっくりと、視界が戻ってくる。
ニーダルはスラムを隔てるコンクリート壁を乗り越えて、一般居住区へと戻っていた。
つるり、と何かやわらかいものを踏んだ感触。地面と熱いベーゼを交わしたニーダルの頭に落ちてきたのは、バーナの皮だった。
「まぁたゴミ箱かよ。やれやれ」
バーナの皮を引っぺがし、袋に突っ込んで思う。
(ああ、それでも、いい休日だった、か)
浄化の炎で外套の掃除を済ませ、排水溝脇の道路を走り、ニーダルは帰路を急いだ。
ドブ川で鋏脚のついた甲殻類を釣る少年たちに、親らしい大人が今日は祭りだから帰ろう、と呼んでいるのが見えた。
少し、微笑ましくなる。平穏な光景、ニーダルは思う。自分には縁のない日常だ……と。
勢いよく土の道を蹴った時、紅い外套の内ポケットに入れたオルゴールボールが、かすかに曲を奏でた。
……忘れていたことがある。
「アゥ、カゥ!」
ニーダルは走りながら魔術文字を綴り、宿に残した鳩の使い魔に、視点を飛ばす。
灰色熊のぬいぐるみ、ベルゲルミルは、居間でスーツケースに衣類を詰めていた。
イスカは、台所で唄を歌いながら料理をしている。レタスを千切り、卵を焼き、瓶詰の魚肉をドレッシングと混ぜ合わせ……
けれど、楽しそうな背中と裏腹に、時計を見た彼女の蜂蜜色の髪の下、蒼い瞳は酷く寂しそうだった。
ダン! と強い音を立てて、ニーダルは道を蹴った。黒い長髪をなびかせ、歩幅を広げ、疾駆する。景色が音もなく後ろへと流れてゆく。気がつけば、見覚えのある貸し宿へと辿り着いていた。
少しだけ迷い、ニーダルは僅かに震える手でドアを開ける。
「パパ、お帰りなさい」
ああ、この声だ。
笑顔で振り返るイスカに、ニーダルは思い出す。闇の中で聞こえた声、……大切なもの。
「ただいま、イスカ」
飛びついてきた娘を抱きあげて、彼は朗らかに微笑んだ。
4
ニーダル、イスカ、ベルゲルミルは、イスカの作ったパンケーキとサンドイッチの具材を籠に詰めて、外へと出た。
まだ春は遠く、寒風が吹いていたが、近くの丘には、ニーダル達と同じような家族連れや、若いカップルが集まっていた。
「冷えるな」
「ううん、あったかいよ」
若い父親と娘とぬいぐるみが、一本のマフラーを巻いてひっついている光景は、傍目からはどう見えるのだろうか。
少々小恥ずかしい気がしたが、この時、ニーダルは気にならなかった。
「パパ。ベル。これっ」
イスカがごそごそと防寒具の中から、折りたたんだ画用紙を取り出した。
色とりどりのクレヨンで描かれた、ニーダルとベルゲルミルの笑顔。
「ああ、ありがとうよ」
絵を受け取って、ニーダルは照れたように喉の奥を鳴らした。
「わからないという顔ですね。この地方では、収穫祭には家族でプレゼントを交換するんです。ほらっ」
ベルゲルミルがニーダルに押し付けたのは、ピンク色のファンシーなリボンの包みだった。
妙に子供っぽい彼女の趣味はわかっていたから、ニーダルは若干の緊張を込めて、包装を解いた。
出てきたのは王国製のスケルトンタイプの懐中時計だ。シンプルなデザインに、逆に驚いた。
「なんですか、要らないなら返してください」
「いや、嬉しいよ」
お揃いだと首から下げて喜ぶイスカと、丸っこい頬を膨らませているベルゲルミルの掌に、オルゴールボールを握らせる。
「かわいい♪ パパ、ありがと」
「珍しい。てっきり夜店のホットドッグか何かになると思っていました」
「俺を何だと思ってるんだ」
「フン」
ベルゲルミルは悪態を続けようとしたが、イスカの手前、呑み込んだようだった。
「ン。みんな、なかよし」
イスカが御座を敷いて、籠から食材を取り出す。
パンケーキにレタスと卵焼き、チーズ、ツナなどを挟んでサンドイッチにするのだ。
「いつか、みんなでいっしょにくらそうね。おねえちゃん達もいっしょに」
「ああ、いつか、な」
ニーダルは思う。こげだらけのパンケーキと、殻入りのスクランブルエッグ、びしょびしょのツナ。……昔一人で食った飯は、こんなにもうまかったろうか、と。
(なかよし、か)
ベルゲルミルを見ると、相変わらず少し不機嫌そうに、視線をそらせた。
イスカは、殻に当たったらしく、わたわたと水筒からお茶を注いでいる。
この娘はこの娘なりにニーダルとベルゲルミルの衝突を案じていたのかもしれない。家族という絆を護ろうと――。
『人間のふりをした焼けカスが、捨てられた人形と一緒に偽りの家族を演じるのか』
ノイズ越しに、視界の奥で炎がゆらめく。
そう、ニーダルとイスカ、ベルゲルミルに血の繋がりなんてない。
自分は、壊れたかつての人格の残滓を継ぎ接ぎし、人間を模倣している兵器に過ぎない。
だが、それがどうしたというのだ。自分の感情が贋物でも、……この温もりだけは本物だ。
(演じる? 馬鹿を言うな。俺たちは、家族だ)
問題なんて山積みだ。クマには言いたいことが山ほどある。それでも、決めたのだ。――共に歩く、と。
轟音が響き、ノイズが吹き飛ぶ。視界に映るのは夜空に広がる大輪の華。
「わあっ、花火!」
「地方のお祭りにしては」
「やるもんだねえ」
色鮮やかな花火の光の下で、ニーダル達はそれぞれに微笑んでいた。
□
一方その頃、クラウディオこと、本名クリスチーナ・アイクシュテットは、駐屯所で花火の音を聞いていた。
休日だったというのに、うっかり遭遇戦闘なんてやってしまったがため、一人残務処理に追われていたのだ。
「お休みなのに、お休みだったのに、交戦報告を提出しろなんて、師匠は鬼だ~~」
半泣きになりながら、クリスチーナは羊皮紙を万年筆で埋めてゆく。
「モルゲンシュテルン少佐は、きっとクリスを心配してるんですよ」
ロティは慰めてくれるが、手伝うつもりはないようだ。紅茶を片手に、淡紅色の瞳に窓から見える花火を映している。
「こんな心配いらないよ! あの痴漢は?」
「監視員の報告では、メルダー・マリオネッテの娘と花火を見ているそうです」
「うわっ、あいつ本当にロリコンだったんだ。もう一度シャワー浴びなきゃ!」
いいこじつけができたとばかり立ち上がるクリスチーナの足を、ロティはにっこり笑って蹴飛ばした。
「報告書を仕上げてからにしてくださいね」
結局、ニーダル・ゲレーゲンハイトと『紅い導家士』の関係は不明のままだった。
ニーダルが現在ハルダラの地に逗留していたのは、領主と友好関係にあったシュターレン閥領袖エーエマリッヒの指示で出向していたからであり、行動に不審な点は見受けられなかった。すでに契約は果たされ、依頼料は振り込まれ、発掘品も納められている。
「アリバイは完璧、捜査は完全に振り出しか。でも、必ず尻尾を掴んでやる」
「……クリス。彼は無関係じゃないでしょうか?」
首をかしげるロティに、クリスチーナは唾を飛ばしてくってかかった。
「だ、だって、触られたんだぞ! に、にんしんでもしたらどうするんだ!?」
「…もういい年なんですから、私におしべとめしべから説明させないでください」
この契約神器は、とっても盟約者に冷たかった。仕方がないので、鮮緑色の目に涙をにじませ、べそをかきながら愚痴をこぼす。
「年のことゆーなら、ロティなんて」
「私は二十歳です☆」
「ぷらすいちまんにせんかげつ」
「何か言いましたか?」
紅い髪から瘴気のようなものを噴き上げるロティの朗らかな笑顔に、クリスチーナはぶんぶんと首を横に振った。
「って、ああ、せっかく書いた報告書が汚れてる!?」
「自業自得です★」
「ひ、酷いよう」
そんなこんなで、二人が士官用の宿舎に帰ることができたのは、深夜になってからのことだった。
厚底の靴を脱ぎ散らし、灰色の上着と重い肩パットやコルセットを放り投げ、シャワーを浴び直し……、クリスチーナはシャツと下着だけでベッドに突っ伏した。無理やり魔術で閉じ込めていた、黄褐色の髪がシーツにばさりと広がった。
ロティが苦笑いしながら服を片づけ、温めたワインを注いだマグカップと、郵便受けに投函されていた手紙を持ってきてくれた。
「アリサちゃんから、手紙が届いてますよ」
アリサ・コードウェル。クリスチーナの従妹からの手紙には、軍職にある自分を心配する文面が綴られていた。
「あの子のためにも、これ以上、姉上の治める土地を荒させやしない」
「そうですね。ニーダル・ゲレーゲンハイトがどうあれ、紅い導家士を名乗る集団、それが私たちの敵です」
ダイレクトメールやちらしをまとめて片づけ、クリスチーナは、一通の手紙を見つけて歓喜の声をあげた。
「ライプニッツ湖の風景印をゾロ目で。さすが、R・H。わかってるじゃないか!!」
「……」
消印集め、というクリスチーナの趣味が、ロティにはいまいちよくわからない。
もうちょっと女の子らしいものを収集すべきだ、と勧めたことがあったが、「ロティまで女の子は趣味もっちゃいけないってゆうのか!?」と逆上されたため、以後は控えている。
アイクシュテット家において、クリスチーナは幼少から複雑な立場にあり、ともに労苦を乗り越えてきたロティは、彼女の複雑な想いを知っていた。
「よし、早速今日手に入れたアロニー山水画切手を送ってやろう。これだけは、あのセクハラ野郎に感謝だな」
クリスチーナははしゃぎながら、コレクションファイルに手紙を仕舞っていた。そんな彼女の顔が、とても無邪気で嬉しそうだったから、ロティはほんの少し意地悪したくなった。
「最近、よくその男と手紙をやり取りしているようですが」
「うん。信頼できるコレクター仲間は貴重だからね」
どこかの地脈通信の掲示板でR・Hなる男と知り合って以来、クリスチーナはかつて以上に元気になり、趣味にまい進するようになった。なんとなく、ロティは理解する。自分はどうやら、顔も知らないその文通相手に嫉妬しているらしい。
「そのR・Hって何者なんですか」
「なんでも、官庁の依頼を中心に受ける遺跡探索者らしいよ」
「内実は遺跡荒らしでしょう。あの破廉恥漢と変わらないかもしれませんよ?」
「あ、あんなロリコンの変態と一緒にするなよ。きっと紳士で、こう葉巻の似合うオジ様に決まっているさ!」
剣の師匠であり、煙管の似合うダンディーな紳士でもあるレオンハルト・モルゲンシュテルン少佐の雄姿を重ね合わせ、クリスチーナはうっとりと呟いた。
「R・H。今頃、何をやってるのかなあ?」
……さて、破廉恥と呼ばれ、ロリコン疑惑をかけられた男、ニーダル・ゲレーゲンハイトが何をやっていたかというと、日課の筋トレを終えて、星を見ながら酒を嗜んでいた。
そこに、真っ青な顔になった灰色熊の人形が覚束ない足取りでやってきた。
「た、大変なことがわかりました」
「アー、牛乳を水増ししていた毒なら、”消して”おいたぞ」
ニーダルの瞳はトロンとしており、いまにも寝てしまいそうだった。
「貴方が食材の安全に気をつけてるのは知ってますよ。さっきの夜食、パンケーキサンドの食べすぎで太りました」
「アー、そ。熊でも太るんだ。冬眠とかするもんなァ」
うつらうつらしているニーダルに、ベルゲルミルはごっつい長銃を押し付けた。
「ダイエットの為に今から素振り千回!」
「なぜに、俺がッ!?」
「イスカをこんな時間に起こせと? それでも父親ですか? 私にあの天使の寝顔を起こすなんてできません」
長銃を振り回して力説するベルゲルミルだが、どこか話がおかしい。
「だから、お前が食事を控えるなり、運動するなり……」
「槍も銃剣も似たようなものでしょうっ」
「いや、違うし。だからお前が。そもそも体感重量なら魔術で操作できたろ?」
「問答無用!」
ガブリ、とベルゲルミルの牙が、ニーダルの二の腕に突き刺さる。
「OUCHI!」
ちくしょー、この家での俺のヒエラルキーはどうなってんだ!
一人の男の魂の叫びが、夜空に消えていったという……。
七つの鍵の物語 ― 祝 祭 日 ― FIN
拙作をお読みいただき、ありがとうございました。